PC修理工場見学ツアー
NEC・レノボ製品の“1日修理”を実現するNECパーソナルコンピュータ 群馬事業場(1/2 ページ)
レノボ・ジャパンは、NEC製PCの保守サポートサービス拠点であるNECパーソナルコンピュータ 群馬事業場(群馬県太田市)でのレノボ製PCの修理サポート業務開始を受け、プレスツアーを開催した。NEC製品とレノボ製品の修理サポートを一手に引き受ける工場内修理の取り組みとは?
NEC製品、レノボ製品の保守サービスサポート拠点
レノボ・ジャパンは、NEC製PCの保守サポートサービス拠点であるNECパーソナルコンピュータ 群馬事業場(群馬県太田市)でのレノボ製PCの修理サポート業務開始を受け、2016年11月17日にプレスツアー(見学会)を開催。NEC製品に加え、レノボ製品の修理業務を統合したNECパーソナルコンピュータ 群馬事業場における取り組みや、修理工程の様子などを紹介した。
「PC-9801」を開発生産した群馬事業場が保守サービス拠点になるまで
NEC製PCの企画・開発・製造およびPC/周辺機器の販売・故障診断・修理、PCのリユース事業を手掛けるNECパーソナルコンピュータには、全国の営業拠点に加え、開発生産拠点の米沢事業場(山形県米沢市)と、保守サポート拠点の群馬事業場が稼働している。
群馬事業場は、今でこそ保守サービスサポート拠点として事業を展開しているが、もともとは「PC-9801」などのデスクトップPCの開発生産拠点として機能していた。大きく事業転換したのが2002年のこと。NEC製品の開発生産を全て米沢事業場に統合したタイミングに併せ、群馬事業場にコールセンターと修理センターなどを集約させてNEC製品の保守サービスサポート拠点とした。そして、その後2011年にレノボとジョイントベンチャーを発足し、2014年にレノボ製タブレット端末の修理を開始。さらに2016年からその枠組みを広げ、レノボ製PC製品の引き取り修理もスタートさせた。
群馬事業場の敷地面積は8万7805m2で、建屋は大きく「オフィスビル」「工場棟」「部品倉庫」に分かれており、約550人のスタッフが勤務。ここでPC/周辺機器の修理やNEC製中古PCの再生といった事業に関するさまざまなオペレーションが行われている。もともとPCの生産拠点だったこともあり、豊富な知識・スキルを持ったスタッフが多数在籍しており、高いサービスレベルを維持しているという。
NECパーソナルコンピュータでは、“お客さま満足度向上”に向けた修理サポート戦略として、「問診(故障診断)の確かさ」「修理の確かさ」「修理の早さ」「修理価格・内容の分かりやすさ」の4つを掲げている。その中でも“修理の早さ”を重視しており、ユーザーが使用しているPCのダウンタイムの短縮を目指し、工場内修理を1日で完了させる“1日修理”の拡大を図っているという。
レノボ製品の修理サポートを統合、“マザーファクトリー”を目指す
群馬事業場では、2014年にレノボ製タブレット端末の修理サポートを開始。その後、2016年7月からレノボ製PCのコンシューマー製品「Idea」ブランドの修理を、同年8月からコマーシャル(ビジネス向け)製品「Think」ブランドの修理をスタートさせた。
これに伴い、NEC製品の修理サービスで培った保守サポートサービスのノウハウを活用しながら、これまで社外委託していたレノボ製品の修理サービスのCS向上およびコスト削減の追求を図り、NEC/レノボ製品の修理拠点統合に向けた最適化を実施。レノボ製品の修理サポートの開始に併せて、レノボ製品向けに修理履歴管理ITシステムを新たに開発・導入した。このITシステムには、NECパーソナルコンピュータが長年培ってきた独自のノウハウが盛り込まれており、レノボ製品においてもNEC製品と同様に、群馬事業場のオペレーションで修理サポートを実施できるようにした。なお今回、レノボ製品の引き取り修理を開始したことで、装置の引き取り修理のボリュームとしては従来比1.6倍(台/月)になり、それに伴い保守部品の取扱量も従来比1.6倍(個/月)になったという。
NECパーソナルコンピュータ サービス事業本部 統括マネジャー 土屋晃氏は「群馬事業場には保守サポートに必要な機能が全て備わっている。ここにはNEC/レノボの修理センターとコールセンターがあり、高品質な修理サポートを提供している。それからNEC製PCのリユース、NEC製品のマザーボードの修理も内製で実施している(レノボ製品のマザーボード修理も検討中)。また保守に必要な修理部品の調達・保管も群馬事業場が中心となって行っている。われわれは“マザーファクトリー”を目指し、こうした事業を支えるスタッフとともに、お客さま第一の活動を実践し、効率化の追求に日々取り組んでいる」と話す。
レノボとユーザーにとってのメリット
これまで社外委託していたレノボ製品の修理を、NECパーソナルコンピュータ 群馬事業場に移管したことで、レノボ自身はもちろんのこと、ユーザー(顧客)にとっても大きなメリットがあるという。
レノボ・ジャパン 執行役員専務 横田聡一氏は「サービス品質の高いNECパーソナルコンピュータ 群馬事業場のチームが、レノボ製品の修理業務までカバーしてくれることで、ユーザーに直接的、間接的にそのメリットを提供できるようになる」と述べる。直接的なメリットとしては、言うまでもなく迅速で正確な、質の高い保守サービスを受けられる点である。そして間接的なメリットとしては、群馬事業場に集まる障害情報をレノボの設計開発チームと共有して設計品質の向上を図ることで、より良い製品をユーザーに提供できるようになる点である。
「群馬事業場でレノボ製品の保守が行えるようになれば、不具合や障害などのより正確で質の高い情報をすぐに設計開発チームに共有できるようになる。また、再現が困難な不具合であれば、事象の発生した実機を群馬事業場から送ってもらって、いち早く解析することも可能になる。問題の兆候などを早期発見できれば、開発中の製品にその対策を反映して同じ障害を起こさないように未然に防ぐこともできるだろう。初動対応が早くなるというメリットは、われわれにとっては非常に大きい」(横田氏)。
また障害情報の共有だけでなく、「部品の配置位置やケーブルの取り回しなどが保守作業に影響する(作業しづらい)だとか、もっとこのような解析ツールがほしいといった提案を群馬事業場のチームからもらえる機会も増えるのではないか。こうした声を設計開発チーム側で受け取り、製品設計などに反映できれば、保守作業にかかる時間やコストが削減され、結果としてお客さまにも還元できるのではないか」と横田氏は、保守と設計開発という垣根を越えた連携に大きな期待を寄せる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
特集(FA)
この記事の著者
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社 Green AI] AIで脱炭素計画を最適化、初年度からエネルギーコストとCO2を削減する方法 -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 「ペロブスカイト太陽電池」の普及戦略が公表 政府が目指すコスト・導入量のロードマップを解説 -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 導入が加速する再エネ・系統向け蓄電システム コスト・収益性の現状分析 -
技術文書・技術解説
[スマートジャパン編集部] いまさら聞けない「ペロブスカイト太陽電池」の基礎知識と政策動向 -
技術文書・技術解説
[スマートジャパン編集部] 「ペロブスカイト太陽電池」の開発動向、日本の投資戦略やコスト目標の見通しは?
関連記事
こんなメディアも見られています
TechFactoryに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
特集
- マテリアルズ・インフォマティクスの動向調査
- 研究・開発職のデジタル活用調査
- 設計・解析業務におけるAI活用
- 3Dプリンタ利用動向調査
- CAD利用動向調査
- つながる工場の現状と課題
- 製造業におけるAI開発および活用の実態
- 設計・製造現場における品質管理
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版:フィジカルAIが生み出す新たな「設計思想」――電子版2026年8月号
-
2
半導体装置メーカー 業績まとめ【2027年3月期第1四半期】
-
3
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part4)
-
4
一時は時価総額トヨタ超え キオクシア2026年度の動向
-
5
微細配線間の絶縁劣化をどう捉える? 先端パッケージ評価の最前線
-
6
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part1)
-
7
EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版:2026年上半期の半導体業界を振り返る――電子版2026年7月号
-
8
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part3)
-
9
CADツールの見直しは本当に必要? 切り替えの理由と効果を7つの質問で検証
-
10
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part2)
TechFactory SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechFactoryをフォロー