IoT時代の組み込み系ソフトウェア品質(7)
ソフトウェア品質は規則やテストではなく「ヒト」が作る(1/5 ページ)
品質はヒトが制御する。機械でも人工知能でも神様でもなく、ヒトが品質を制御し、品質を作る。今回は視点を変えて、ヒトを中心に品質を見ていくことにする。どんなに立派な品質活動でもヒトが継続的に実施しなければ、いずれ絶えてなくなるからである。
ヒトが品質を作る
ヒトが品質を向上させるのは原始的な欲求である。生活を便利にしたい。生活を効率良くしたい。生活を楽しくしたい。これらは人間が持つ根源的な生きる動機であり、その動機が糧となり、生きる原動力になる。ヒトが品質向上の活動をするのも同じである。
規則やテストで品質は向上しない
品質を作り込むために、品質計測から品質制御、品質管理までの作業が会社の規則で事細かに決まっている。テストも同様に細かな規則が用意されていて、それに沿ってテストをする。これが実際の開発現場で行われている現実である。しかし、規則で品質は作れない。
規則は最低限の品質を保証するためにあるといわれるが、それすらも怪しい。いくらでも運用の影でサボることができ、この結果、品質は悪化し、最低限の品質の保証もできなくなる。逆に規則がなくてもヒトがしっかりしていれば、妥当な品質は作られる。
規則はいわば、平均的なヒト(この場合の平均的なという単語には劣ったという意味が含まれていることに注意)を縛り、唯々諾々で作業をするヒトのためのものである。ずる賢いヒトは規則で縛れない。すり抜けられてしまうからだ。
同様にテストで品質は作れない。テストケースは人間が恣意的に作り、実施される。膨大なテストをこなせば、ある程度の品質は保証される(少なくとも機能適合性の品質はある程度保証できる)。しかし、それだけだ。それ以上を望むときは、ヒトが重要な鍵になる。
品質を上流で作り込むための規則を考えてみる。仮に「規則1.レビュー指摘は重要度(優先度)と、本来指摘されるべきレビュー工程との差異、指摘の種別を記録すること」という規則を作ったとする。この事務処理だけの規則でさえも、有名無実にすることは簡単だ。
重要度を全て最重要にするだけで重要度の意味がなくなる。工程差異も本来指摘されるべきレビュー工程を恣意的に選ぶことで意味がなくなる。種別も選択が面倒になり、いい加減になりそうだ。このように規則を有名無実化するのは簡単だ。規則は正しく妥当に運用されてこそ、意味があるものになる。
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IoT時代の組み込み系ソフトウェア品質
組み込みソフトウェアにおける「品質」とは、一体、何者であろうか。多用されている言葉であるがその実態はようとしてしれない。この連載ではIoT時代の組み込み系ソフトウェアの品質」をテーマに開発現場の目線で見ていく。出演者は情報系に籍を置く大学1年生の紅美 香美(くみ こうみ)と品質 寛容(しなしち ひろい)。
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