IoTとAI、ビッグデータ時代のソフトウェアテスト(1)
ソフトウェアテストのコストと品質(前編)―「テストの究極の問題」を考える(1/5 ページ)
言うまでもなくソフトウェアテストは重要だが、IoTやAIなどの新しい概念によってソフトウェア自体の在り方が変わりつつある中、旧来からのテストを踏襲するだけでは成果は得られない。新時代のソフトウェアテストについて、考察する。
ソフトウェアテストを「上から目線」で見てみる
「ソフトウェアテストほど重要なものはなく、ソフトウェアテストほど困難で大変なものはない」
これを頭で理解していても、テストが開発現場任せになっていて、組織全体に対する問題と認識されていないことは多い。これは会社経営でいえば「経営者的視点に欠けた経営」とも呼べるものだ。ここではこの経営者的視点を「上から目線」と呼ぶことにして、ソフトウェアテストにおける経営者的視点が特別なものではないことを示したい。
さらに今はIoTやAI、ビッグデータの隆盛により、ソフトウェアテストも一層混沌としている(図1)。IoTは多種多様なデバイスがITシステムと縦横無尽につながり、止めどなく拡張されていく世界を作る。AIは常に学習によって自分自身を変貌させていき、周囲を変えていく。ビッグデータは非定型な大量のデータを処理し、その動作はデータ自身に随従して変化していく。このような環境でソフトウェアテストがどうあるべきか、どうするべきかが開発現場に問われている。そして「上から目線」の経営的視点も問われている。
もう1つの問題として、ソフトウェアテストはソフトウェア開発の最下層に位置する身分と見なされている実情がある。誤解を恐れずに言えばソフトウェアはメカ、エレキの下の身分になっており、ソフトウェアテストはそのソフトウェアの中でもさらに最下層である。下の現実を見てほしい。
メカは一番、偉いんだ
エレキだって偉いんだ
ソフトも最近は偉くなったんだ
テストも最近……大変だ
そこで連載第1回の今回はソフトウェアテストの重要性を経営者層へ認めさせるためにも、ソフトウェアテストの重要性を見ていき、開発現場だけでなく経営者層にも訴えていく。このためには「上から目線」が大事である。
社長になったつもりで、会社全体を上から目線で見てみよう。そしてソフトウェアテストの大きな問題である「テストコストと得られる品質をどのようにバランスさせるのか」を現場目線だけでなく経営者的視点で探っていく(図2)。
このコスト問題はソフトウェアテストの究極の問題ともいえるものであり、「テストをどこで打ち切り、コストと品質のバランスをどのように取るか」「どのようにそれらをトレードオフしていくか」を会社施策として上から目線で決める必要がある。なお逆に「下から目線(*1)」もあるので参考にしてほしい。
*1 下から目線とは、知っているにもかかわらず、知らないふりをして、相手を下から見上げる目線のことである(ここではこのように定義する)。もちろん相手が少しでも間違うと徹底的にたたくのはデフォルトである。悪い意味で「下から目線」を紹介したが、別のいい意味としては謙虚に学ぶ姿勢のことである。下から目線は多くの場合は謙虚といわれるものであるが、この記事ではときには上から目線も必要であることを示す。社長の視点で見るようにしておくと、将来の役に立つだろう。
とあるテスト現場より(1)
A:「先輩、自分は経営者的視点なんて無理ですよ、それに開発現場にいるから関係ないです」
B:「それじゃ、俺の上司になったつもりで、組織全体のソフトウェアテストのやり方を管理してみて」
A:「お前ら、無駄にコストかけてテストしやがって、やり直しだ……って言えないです」
B:「うんうん、そんな感じだ。でももう少しやさしくな。……ところでお前、後で覚えておけよ」
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IoTとAI、ビッグデータ時代のソフトウェアテスト
言うまでもなくソフトウェアテストは重要だが、IoTやAIなどの新しい概念によってソフトウェア自体の在り方が変わりつつある中、旧来からのテストを踏襲するだけでは成果は得られない。新時代のソフトウェアテストについて、考察する。
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