設計・製造現場を変革する3D CAD/3Dデータ活用(13)
プロジェクトを正しい方向へと導く「振り返り」の重要性(1/2 ページ)
設計品質の向上、さらなる生産効率化など、設計・製造現場では常に厳しい要求が突き付けられている。そうした中、3D CADをはじめとしたツールの導入やより効果的な使い方を追求した組織としての取り組みも行われている。本連載では3D CAD/3Dデータ活用にフォーカスし、プロジェクト管理者がどのような視点で現場改革を推進していくべきか、そのヒントを提示する。連載第13回では、プロジェクトの振り返りについて取り上げる。
前回お届けした「クリティカルパスを発見し、プロジェクトの進捗を効率的に管理しよう」では、クリティカルパスについて取り上げました。クリティカルパスを分析することは、プロジェクト管理だけではなく、さまざまな作業の検証に役立てることができます。工程のムリやムダを省くための解析方法としてとても有効な手法ですのでぜひ活用してみてください。
今回は「プロジェクトの振り返り」について紹介します。これまで、3D CAD推進を一例としたプロジェクト推進活動を取り上げてきました。既にWBS(Work Breakdown Structure:作業分割構成)によってプロジェクトの作業は細分化されており、この細分化された一連の作業をワークパッケージとして整理しているので、これらの作業はモレやダブリもなく、当初の工数(時間、費用)見積もり通りに、順調に進んでいくはずです。
プロジェクトの進捗確認でポイントとなる「マイルストーン」
プロジェクトを進める上で、進捗(しんちょく)確認作業は必須です。このとき、ポイントとなるのが「マイルストーン(milestone)」です。マイルストーンは、その名前の通り“道しるべ”です。プロジェクトは、ある目標(ゴール)に向かって進んでいます。計画した日程定通りに、また計画した内容通りにゴールへ到着するためには、スタート地点からゴールの間に“節目”となるチェックポイント(マイルストーン)があるはずです。
もう少し具体的に見ていきましょう。チェックポイントですが、大きな分類として「PDCA(Plan、Do、Check、Action)」があります。
- Plan:計画をいつまでに行うのか
- Do:その計画の実行はいつまでに行うのか/その実行の進捗状況はどうか
- Check:実行内容に対する評価をいつまでに行うのか/評価の進捗状況はどうか
- Action:評価結果に対する改善をいつまでに行うのか/改善の進捗状況はどうか
さらに細かくすると、“ワークパッケージがいつまでに実行、評価、改善されるのか/その進捗状況はどうか”ということも挙げられます。
「期日」に着目してみると、「○月○日作業完了」という計画に対して、「予定通りの期日または期日前に作業が完了した」「予定期日に対して1週間遅れる見込みだ」といったように、定量的に進捗を確認できます。「工数」も同様であり、「予定工数の○○時間以下で作業が完了した」「このままの状況では予定工数に対して△△時間超過する予定だ」といった具合に、定量的にプロジェクトの進捗を判断できます。
加えて、進捗状況を的確に把握する上で欠かせないのが、成果物の確認です。例えば、「RFP(提案依頼書)」や3D CAD選定の上での「ベンチマークシート」「稟議(りんぎ)書」「3D CAD運用マニュアル(作業手順書)」といったように、各作業において作成されるドキュメントなどの成果物があります。これらは、ベンダーなどの外部から提示されるような提案依頼書に対する「提案書」や「見積書」、仕様や技術確認要求に対する「回答書」も含まれます。これらの成果物が作成できているのか、またその内容が十分であるのかということをプロジェクトの進捗過程で“はっきり”とさせる必要があります。各マイルストーンでの成果物は、言葉による曖昧なものではなく、文書など目に見えるものとして作成、管理されるべきです。
計画通りに行かないからこそ……
プロジェクトで行う作業には、1人で行う作業、チームで行う作業、社外(ベンダーなど)と協力して行う作業などがあります。筆者の経験ですが、こうした作業は計画通りに順調に進んでいくとは限りません。
多くの企業において、3D CAD推進活動は主たる業務との兼任/兼務によって行われています。例えば、主たる業務が設計であれば、設計の負荷状況によってその作業の進捗が大きく左右されます。筆者が実際に推進していたプロジェクトでも、「(本業の)設計業務が忙しいから」という担当員からの申し出により、作業を止めざるを得ない状況を何度も経験したことがあります。また、実際の作業内容が当初見積もりの工数では到底実現できない内容だったり、作業に問題が生じてその対応で当初見積もりにない時間が必要になったり、ベンダーが思ったように動いてくれなかったりと、さまざまな要因で遅延することもしばしばあります。
プロジェクトの作業は計画通りに行くとは限りません。そのため、マイルストーンに着目して、今どのような状況にあるのか? プロジェクトの進捗状況を確認する必要があるのです。具体的には、作業進捗状況(日程、工数、内容)に問題はないか、ワークパッケージにおける日程変更や作業の優先順位に変更はないか、作業の目標成果物は問題ないか、変更が必要なのかといった内容を、プロジェクトメンバーに確認し、その内容を共有することです。
マイルストーンを設定し、それに沿ってプロジェクトの進捗状況を報告することは、ステークホルダーである経営層に対するアピールとしても重要です。
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設計・製造現場を変革する3D CAD/3Dデータ活用
設計品質の向上、さらなる生産効率化など、設計・製造現場では常に厳しい要求が突き付けられている。そうした中、3D CADをはじめとしたツールの導入やより効果的な使い方を追求した組織としての取り組みも行われている。本連載では3D CAD/3Dデータ活用にフォーカスし、プロジェクト管理者がどのような視点で現場改革を推進していくべきか、そのヒントを提示する。 ◎こんなキーワードに興味のある方にオススメ:[3D CAD][3Dデータ][3D推進][3次元設計][設計品質向上][ツール導入]
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