設計・製造現場を変革する3D CAD/3Dデータ活用(11)
何のために3D CADを導入するのか――あらためて、その目的を明確に(1/2 ページ)
設計品質の向上、さらなる生産効率化など、設計・製造現場では常に厳しい要求が突き付けられている。そうした中、3D CADをはじめとしたツールの導入やより効果的な使い方を追求した組織としての取り組みも行われている。本連載では3D CAD/3Dデータ活用にフォーカスし、プロジェクト管理者がどのような視点で現場改革を推進していくべきか、そのヒントを提示する。連載第11回では前回に引き続き、3D CADの選び方について掘り下げる。
前回に引き続き、「3D CADの選び方」についてお話します。
皆さんは、2017年6月21~23日の3日間、東京ビッグサイトで開催された「第28回 設計・製造ソリューション展(DMS2017)」には行かれましたでしょうか? 筆者は会期2日目に見学しに行きましたが、多くの来場者が詰め掛け、各社ブースで熱心に話を聞いている様子から、日本のモノづくりの盛況ぶりがうかがえました。
DMS2017の会場では、「世界で一番売れている3D CAD」「100万部品を0.2秒で処理する3D CADエンジン」「クラウド上のプラットフォームでつなぐことができる、今までにないCAD/CAM/CAE」「操作のしやすいCAD」といったうたい文句を掲げる、複数の3D CADメーカーが出展。各社ブースの展示デモやプレゼンテーションに足を止めて聞き入る来場者も多く、3D CADのニーズを強く感じるとともに、これだけデジタルエンジニアリングが進んでいると思われている今日でも、まだまだ導入需要が高いことをあらためて認識しました。
また、CAEやPLMのメーカー/販売代理店のブースも盛り上がっていました。3D CADの導入需要の高さと併せて考えてみると、これから3D設計を推進していこうという企業から、導入効果をより高めるため、さらにその先に進もうとしている企業まで、実にさまざまで、3D設計の進捗(しんちょく)具合に格差があることも痛感しました。
DMS展は、前回取り上げた「情報収集・RFI(情報提供依頼書)の作成と送付」を行う上でも、非常に参考になる展示会ですので利用しない手はないでしょう。そして、既に3D CADを導入している企業にとっても、既存製品の注目機能や次期バージョンで搭載予定の新機能に関する情報を収集できる(意見交換ができる)有意義な場となっております。筆者もあるメーカーの展示ブースで、装置アセンブリ上での配線を行う開発中の機能を少しだけ見せてもらいました。もし、このような展示会にまだ足を運んだことがないのであれば、ぜひ一度見学してみるとよいでしょう。
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「3D CADを使用することが目的」になってしまった悲しい事例
長らく2D CADを使用してきた方であれば、その製品のつながりで、メーカーや販売代理店から3D CAD製品の紹介を受けたことがあるかと思います。2D CADでうまく業務が回っている状態であっても、「これからは3D CADですよ」とメーカー技術者の素晴らしいデモを目の当たりにしてしまうと、つい心が揺らいでしまうものです。
ただ、勢いだけで3D CADの導入を決定してはいけません。普段使っている2D CADと同じメーカーだから大丈夫という保証もありません。ここで重要となるのが、「何のために、3D CADを導入するのか?」という目的が明確化されていることです。前回、筆者の失敗例を紹介しましたが、「3D CADを使用することが目的」になっていると非常に危険です。
3D CADを使用することが目的になってしまったケースについて、もう少し踏み込んで考えてみましょう。
ドラフターや2D CADを用いた設計では、文字通り2次元で図面を表現していました。図1に示した産業機械の部品構成を例に見てみると、図面自体は2次元ですが、それぞれの部品が階層化された構成をとっていることが分かります。最終的には赤枠で囲んだ部分が、部品表(BOM)としてCSVファイルなどに出力され、次工程のシステムに渡されます。このような流れは、これまで行ってきた作業の1つ、「ワークフロー分析」により明確になっています。
さてこの部品表ですが、企業によっては工程を含む多階層化された部品表構造となることもありますが、筆者の過去の経験では、1階層の部品表を使用していました。ドラフターの時代は手書きの部品表を、2D CADの時代はCADから出力された部品表を次工程に渡していました。
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設計・製造現場を変革する3D CAD/3Dデータ活用
設計品質の向上、さらなる生産効率化など、設計・製造現場では常に厳しい要求が突き付けられている。そうした中、3D CADをはじめとしたツールの導入やより効果的な使い方を追求した組織としての取り組みも行われている。本連載では3D CAD/3Dデータ活用にフォーカスし、プロジェクト管理者がどのような視点で現場改革を推進していくべきか、そのヒントを提示する。 ◎こんなキーワードに興味のある方にオススメ:[3D CAD][3Dデータ][3D推進][3次元設計][設計品質向上][ツール導入]
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