設計・製造現場を変革する3D CAD/3Dデータ活用(8)
ワークフロー図を作成し、設計だけでなく全社的な問題と課題を浮き彫りに(3/3 ページ)
解決施策を設計部門、そして全社に展開するには
As-Isは整いました。ここで浮き彫りになった問題は、設計部門だけのものではなく、会社全体から見た現状の問題でもあります。そのため、設計の核心的な部分への対応と同時に、どうやって全社に展開していくかを含めて解決策を検討していきます。先のワークフロー図における黄色の部分、赤色の部分が解決施策となっています。この解決施策は単にツール論だけではありません。「考え方」や「手法」も含まれています。
筆者の経験では、
- FMEA(Failure Mode and Effect Analysis:故障モード影響度解析)
- FTA(Fault Tree Analysis:故障の木解析)
- TRIZ(Teoriya Resheniya Izobretatelskikh Zadatch:発明的問題解決の理論)
といったものでさえ、社内に知っている人がいませんでした。世の中の大手企業が、こういった手法を駆使して設計開発を進めようとしているにもかかわらず、K・K・D(勘・経験・度胸)だけで進めようとするのはどう考えても時代遅れです。そのため、先に列挙した分析手法や理論を3D CADを用いた設計業務の中に取り込めないか検討することも重要だと筆者は考えます。
ここ最近では、
- DRBFM(Design Review Based on Failure Mode:設計変更点に着目したFMEA)
という手法もあります。
設計の本質というものを追求するのであれば、
- 公差設計/公差解析
- 精度設計
- 機械材料
- 強度設計
- 信頼性設計
- 要素設計
- 加工法
といった基本的な機械工学の知識も必要です。3D CADの操作ができても、これらの知識が乏しいと設計根拠を得ることはできません。
またモデル構想として、CAEを採用したいと考えるのであれば、
- 材料力学
- 流体力学
- 機械力学
- 熱力学
- 有限要素法
といった知識が不可欠ですし、単なるオペレーションにならないためにはその本質を学ぶべきです(学び続けることにはなりますが)。現状分析からこのような手法や知識の欠如が分かれば、モデル構想に「教育活動」も入れるべきだと筆者は考えます。
筆者の場合、
- 3D CADは導入されたものの、その活用度が十分ではない
- 3D CADは導入されたものの、全く使われていない
という2つの苦い経験をしています。これらはいずれも筆者自身のみ、もしくは数人のプロジェクトメンバーによる推進活動によるもので、全社横断プロジェクトではなく、基本的には設計部門で主導したプロジェクトになります。次回は、このモデル構想以降の話を続けたいと思います。お楽しみに!(次回に続く)
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設計・製造現場を変革する3D CAD/3Dデータ活用
設計品質の向上、さらなる生産効率化など、設計・製造現場では常に厳しい要求が突き付けられている。そうした中、3D CADをはじめとしたツールの導入やより効果的な使い方を追求した組織としての取り組みも行われている。本連載では3D CAD/3Dデータ活用にフォーカスし、プロジェクト管理者がどのような視点で現場改革を推進していくべきか、そのヒントを提示する。 ◎こんなキーワードに興味のある方にオススメ:[3D CAD][3Dデータ][3D推進][3次元設計][設計品質向上][ツール導入]
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