設計・製造現場を変革する3D CAD/3Dデータ活用(1)
設計・製造現場が抱える「問題」と「課題」(1/2 ページ)
設計品質の向上、さらなる生産効率化など、設計・製造現場では常に厳しい要求が突き付けられている。そうした中、3D CADをはじめとしたツールの導入やより効果的な使い方を追求した組織としての取り組みも行われている。本連載では3D CAD/3Dデータ活用にフォーカスし、プロジェクト管理者がどのような視点で現場改革を推進していくべきか、そのヒントを提示する。連載第1回では、設計・製造現場が抱える「問題」と「課題」の認識について紹介する。
製造業における設計・製造現場では、日々どのような問題を抱え、課題を持っているのでしょうか? 連載第1回では、問題の抽出方法や課題のまとめ方のヒントを紹介していきます。
まず、「問題」と「課題」についてですが、読者の皆さんはこれらの違いが分かりますでしょうか? 詳しい解説に入る前に、問題と課題の定義について整理しておきましょう。
問題とは?
- 問題とは、“理想と現実のギャップ”のことをいいます。
- 理想とは“あるべき姿”です。現実は“今の姿”です。
課題とは?
- 課題とは、“問題を解決するための取り組み”のことをいいます。
- “理想と現実のギャップから生じる問題に対してどのように取り組むのか”が課題です。
つまり課題は、問題があるからこそ存在するわけです。問題と課題は混同されがちですが、前述の定義を参考に認識をあらためていただけたらと思います。
では具体例です。以下の内容のどれが問題で、どれが課題でしょうか?
- 設計ミスが多い
- 設計品質の向上に努める
- 設計コストが高い
- 設計コストダウンを行う
答えは、1.と3.が問題、2.と4.が課題となります。
問題が何もない設計・製造現場であったとしたら、それは理想と現実のギャップがないことになります。しかし、現実には現状維持で満足する組織はないでしょうし、ましてや問題が全くない組織などまずあり得ないでしょう。
問題を発見し、解決に導くには?
では、どうやって問題を発見して、解決していけばいいのでしょうか。
“現実・事実を知ること”が始めの作業となります。この現実・事実はうわさや想像ではなく、まさに事実に即していなければなりません。では現実・事実とは何でしょうか?
前の質問で挙げた、「1.設計ミスが多い」「3.設計コストが高い」は、定量的に示してはいないものの、もし設計部門自体や他部門の人たちが認識している事実だとしたら、これらは“起こっていること”です。
また、「ある受注案件では設計ミスにより改訂図が20件発生した」とか、「ある受注案件の原価見積の中の設計費が実績で50万円オーバーした」というように“数値で示されること”があります。ISOに取り組んでいる企業は、品質活動計画の目標も数値化され、実績書の中で指標として報告されますので、皆さんも理解できるのではないでしょうか。とにかく管理職にとっては悩ましい話、悩ましい数値です。
もう一方で、「設計者は加工方法を理解していない」と加工部門が言っていたとか、「設計者はケーブル配線を考慮していないので配線がしにくい」と電気組立部門が言っていたということもあります。この“言っていた”ということも現実の1つです。社内を見渡せば、部門間や自部門の中でも、「○○さんがこう言っていた」とうようなクレームのような話はあるのではないでしょうか。
数値化で示されるように、「定量的な事実」もあれば、数値化では示すことのできない「定性的な事実」もあります。ただ問題を発見していく作業の中では、できる限り数値化して評価することがプロジェクトマネジメントの観点から求められます。数値として定量的に評価することを、「定量評価」といいます。
一方で、定性的に評価することを「定性評価」といいます。定性的な内容についても過去の実績を参照して数値化を試みることは可能でしょうし、どこがどこに対して言っている現実なのか、その現実を調べる中で、件数、時間、長さ、重量、強さといったように数値を付加できる内容も多くあることでしょう。
このように問題を洗い出すために、現実を調べることが必要です。ISOが適正に運営されている企業や組織では、品質管理目標に対する実績が集計されているので、数値的な事実を知ることはそう難しくはありません。しかし「設計不具合」については、実にさまざまな要因が考えられます。
図面内表記のミス1つをとっても、寸法・公差(寸法公差・幾何公差)の記入漏れ、適正な公差設定をしていなかった、部品表への型式記載ミス(購入品)、部品表への必要部品個数の記載ミスなど、いろいろと考えられます。
性能的な品質の不具合も、強度不足、経時変化や劣化、温度による影響、可動範囲が足りないなどさまざまであり、これら1つ1つもさらに細分化していくことも可能です。設計経験など属人的に発生している事象もあるかもしれません。
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設計・製造現場を変革する3D CAD/3Dデータ活用
設計品質の向上、さらなる生産効率化など、設計・製造現場では常に厳しい要求が突き付けられている。そうした中、3D CADをはじめとしたツールの導入やより効果的な使い方を追求した組織としての取り組みも行われている。本連載では3D CAD/3Dデータ活用にフォーカスし、プロジェクト管理者がどのような視点で現場改革を推進していくべきか、そのヒントを提示する。 ◎こんなキーワードに興味のある方にオススメ:[3D CAD][3Dデータ][3D推進][3次元設計][設計品質向上][ツール導入]
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