設計・製造現場を変革する3D CAD/3Dデータ活用(1)
設計・製造現場が抱える「問題」と「課題」(2/2 ページ)
「事実を聞き出し、理想を語らせる」ヒアリングの重要性
また、「ヒアリング」は必要不可欠な作業だと筆者は考えます。筆者自身、全ての設計課員と、設計に関わる他部門の管理職や主だった人たちと話をしています。その際、必ず次のようなポイントを押さえて話をするようにしています。
- ヒアリングの日時と必要な時間をあらかじめ話しておく
- ヒアリングの目的を話す
- 内容を制約せずに、何でも話してほしい旨を伝える
- 秘密は必ず守ることを約束する
- とにかく傾聴する
- 相手の話を否定せずに肯定する
- 相手の話に発展性を持たせていく
- どう自身がありたいか、どんな企業・組織になってほしいかを聞き出す
設計・製造現場は、時間に余裕がありません。目的を伝えないまま、急に呼び出して話を聞いても、相手の心のシャッターが下りてしまいます。恐らく「面倒だな」「早く終わらないかな」という心境でしょう。ヒアリングのコツは、とにかく聞き手に回ることです。そして、相手の話を否定せずに、胸襟を開いて語り合える雰囲気を作り出します。また、話が思わぬ方向に進むこともあり得ますが、そこは聞き手が発展性を持たせつつ、話をリードしていくことが必要です。
可能であれば、ヒアリングは社外の第三者に実施してもらうと、話を聞き出せる効果が高まりますが、なかなかそうもいかないでしょう。筆者の場合、自分自身が「社内コンサルティングだ」と思うようにし、第三者視点でヒアリングを実施するようにしています。
コミュニケーションをリードする「コーチング」
さて皆さん、「コーチング」という言葉はご存じでしょうか? コーチングとはその名の通り、相手の目標達成に対して、その動機付けや、やる気を引き出しながら、相手自身が自己的な行動をとれるように導いていくための指導方法です。
筆者自身は、コーチング資格者ではありませんが、アルバイトで塾の講師をしていたころに、コーチングの講習を受けたことがあります。塾で学ぶ生徒たちは、当然のことながら成績を上げたい、受験を成功させたいということで塾に入りますが、必ずしも全員が本人の意思で入り、勉強しに来ているわけではなく、親御さんの意向で来ている場合も少なくはありません。そのような生徒を教えていくわけですから相手のやる気を出させることや、ゴールに導いていくことが必要で、そのためにはコミュニケーションをリードしていく必要があります。
このようなコミュニケーションスキルは企業・組織にも求められるものだと思います。筆者はヒアリングを行う際、コーチング講習で学んだことが生かされていると実感しています。もしコーチングに興味をお持ちであれば、自発的に講習会などに参加してみてはいかがでしょうか。きっとヒアリング、コミュニケーションの役に立つはずです。
ヒアリングでのゴールは、「自身がどうありたいか」「部門をどうしたいか」「企業・組織をどうしたいか」を明確にすることです。そのゴールに対して、自身がどのような状況にいるのか、どんなことで困っているのか、会社はどんな状況なのかという事実を発見していくわけです。理想と現実を考えさせて、それを自身の言葉で話してもらうことが重要です。
人によっては、「自分はこうなる!」とコミットメントする人もいるでしょう。そんな人は今後のプロジェクトの中で大きな力になってくれるかもしれません。また、徹底的に批判をする人もいるでしょう。そんな人も、もしかしたら将来力になってくれる可能性があるかもしれません。その他、全く無関心な人もいるかもしれません。これらの詳しい話については、また別の機会に紹介したいと思います。
ここで重要なのは、「事実を聞き出し、理想を語らせること」です。この続きについては、また次回お話したいと思います。お楽しみに! (次回に続く)
◎併せて読みたいお薦めホワイトペーパー:
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設計・製造現場を変革する3D CAD/3Dデータ活用
設計品質の向上、さらなる生産効率化など、設計・製造現場では常に厳しい要求が突き付けられている。そうした中、3D CADをはじめとしたツールの導入やより効果的な使い方を追求した組織としての取り組みも行われている。本連載では3D CAD/3Dデータ活用にフォーカスし、プロジェクト管理者がどのような視点で現場改革を推進していくべきか、そのヒントを提示する。 ◎こんなキーワードに興味のある方にオススメ:[3D CAD][3Dデータ][3D推進][3次元設計][設計品質向上][ツール導入]
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