設計・製造現場を変革する3D CAD/3Dデータ活用(6)
3D CAD推進の成功は「プロジェクト組織」の在り方次第!?(1/2 ページ)
設計品質の向上、さらなる生産効率化など、設計・製造現場では常に厳しい要求が突き付けられている。そうした中、3D CADをはじめとしたツールの導入やより効果的な使い方を追求した組織としての取り組みも行われている。本連載では3D CAD/3Dデータ活用にフォーカスし、プロジェクト管理者がどのような視点で現場改革を推進していくべきか、そのヒントを提示する。連載第6回では、「プロジェクト組織」の特徴やプロジェクトを推進する上での注意点について解説する。
前回、プロジェクトを立ち上げる際に欠かせない、「プロジェクト企画書」の作り方について取り上げました。筆者の場合、“3D CADの推進”プロジェクトを社内で立ち上げるために、実際にプロジェクト企画書を作成しました。この企画書が経営層に認められれば、正式な業務として取り組みを始められるわけです。
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プロジェクトは、「メンバー」「期間」「(おおむねの)コスト」を決めて開始されるわけですが、その次は何をすべきでしょうか? 少し整理して考えてみましょう。
抱えている「課題」は、環境ごとにさまざまだと思います。そうした課題から開始されるプロジェクトもあるでしょう。これまで筆者は、「既にある3D CADの運用方法の策定と、設計現場での3D CADの定着」といったものから、「全社で3D CADデータをフル活用する」といったものまで、さまざまなプロジェクトの立ち上げ・推進を経験してきました。後者のプロジェクトについて言えば、関ものづくり研究所の関伸一氏が提唱する「TPD(Total Product Development:全社的製品開発)」を実現すべく立ち上げたものといえます。
実は、これには理由があります。筆者が初めて関氏に会ったのは、長野県テクノ財団主催の見学会で訪れた、静岡県浜松市にある大型カラープリンタの開発設計製造を行う会社でした。その会社では、3D CADで設計された3Dモデルの情報を基に部品を手配し、3D表示された指示書を見ながら1人で1台の大型プリンタを組み立てるという、いわゆる「デジタル屋台」と呼ばれる仕組みを実践していました。これが筆者とTPDとの出会いです。そこから筆者自身によるTPDへの取り組みがスタートし、「デジタルファクトリー構想」の実現に向けて動き出したのです。
「キックオフミーティング」でメンバーの足並みをそろえる
プロジェクトメンバーとの活動がいよいよスタートします。始めに行うべきことは「キックオフミーティング」です。この場であらためて、プロジェクトの目的を明確に示し、それをメンバーに理解してもらうことが不可欠です。この段階で「具体的な作業内容」「役割分担」「各プロセスの成果物」といった“スコープ(Scope)”が詳細に決まっていればベストですが、それらがキックオフの段階で不明確でも問題ありません。「現段階で決まっていること」と「まだ決まっていないこと」をメンバーに共有して、足並みをそろえることが最も大切なことだと筆者は考えます。そして、キックオフミーティングの後は、プロジェクトメンバー全員参加の懇親会も必要ですね。
キックオフは盛大に!!
「スコープ(Scope)」とは……「プロジェクトの範囲」のこと。プロジェクトが提供する“成果物”や、成果物を作り出していくために必要な“作業”などを指す(参考:スコープ|ITmedia エンタープライズ)。
専任型/兼任型「プロジェクト組織」の特徴を理解しよう
ここで「プロジェクト組織」について紹介します。社内リソースに余裕がある場合は「専任」を立ててプロジェクトを推進できますが、独立した情報システム部門を持たないような企業だと、本業との「兼務」でプロジェクトを組織することになるかと思います。専任型と兼任型、それぞれ次のような特徴があります。
| プロジェクト組織 | 良い点 | 悪い点 |
|---|---|---|
| 専任型 | ・独立性が高い ・プロジェクトに専念できる ・プロジェクトマネジャーの権限が明確 |
・プロジェクト解散後のメンバーの行き先を用意する必要がある ・プロジェクト解散後のノウハウが残りにくい |
| 兼任型 | ・プロジェクト解散後もメンバーの行き先がある ・プロジェクト解散後もノウハウが残りやすい |
・独立性が低い ・プロジェクトに専念できない ・プロジェクトマネジャーの権限が不明確 |
| 表1 専任型/兼任型「プロジェクト組織」の特徴 | ||
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設計・製造現場を変革する3D CAD/3Dデータ活用
設計品質の向上、さらなる生産効率化など、設計・製造現場では常に厳しい要求が突き付けられている。そうした中、3D CADをはじめとしたツールの導入やより効果的な使い方を追求した組織としての取り組みも行われている。本連載では3D CAD/3Dデータ活用にフォーカスし、プロジェクト管理者がどのような視点で現場改革を推進していくべきか、そのヒントを提示する。 ◎こんなキーワードに興味のある方にオススメ:[3D CAD][3Dデータ][3D推進][3次元設計][設計品質向上][ツール導入]
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