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» 2017年04月25日 09時00分 UPDATE

企業動向を振り返る 2017年3月版:アイに熱視線のエレクトロニクス、東芝の両翼を欠いた成長戦略

AIにエレクトロニクス関連各社も熱い視線を送っており、2017年3月は多くの企業から発表が相次ぎました。渦中の東芝も延期した決算を3月に発表する予定でしたが、監査法人との調整が終了せずに決算発表が2度見送られる事態に。

[渡邊宏,TechFactory]

アイとエレ

 これまでITに近しい存在と見なされていた、AI(Artificial Intelligence:人工知能)にエレクトロニクス関連各社が熱い視線を送っています。2017年3月にはエレクトロニクス各社よりAIに関する発表が相次いで行われました。

 組織としてAI技術に大きくコミットすることを明言したのは米Intelです。AI関連事業を「Artificial Intelligence Products Group(AIPG)」として1つにまとめてエンジニアリングや研究開発、ソフトウェアを含む全リソースを投入し、AIPGのトップには買収したクラウドAI開発ベンチャー、Nervana SystemsのトップであったNaveen Rao氏を据えました。日本法人の江田社長も3月に行われたプレスカンファレンスにて、「データにまつわる全てに関わる“データカンパニー”になりたい」と発言するなど、AI技術に注目しています。


photo インテル 代表取締役社長の江田麻希子氏

 日本でも理研革新知能統合研究センター(理研AIP)と東芝、NEC、富士通がAI研究での連携を発表しました。具体的には4者がそれぞれに連携センターを設立するというもので、「理研と東芝」「理研とNEC」「理研と富士通という、3つの連携センターが設立され、ここでは基礎開発から実用化までの幅広い研究開発が行われます。理研AIPのセンター長、東京大学教授の杉山将氏は「FacebookやGoogleに勝つつもりで臨む」とその意気込みを語ります。

 いち企業の組織改革と研究を中心とした連携発表では、成果物が登場するまでのスピード感が違いすぎて比較できませんが、エレクトロニクスに縁の深い企業がこれだけAIに注力するということは、何らかのかたちで結び付きが生まれるということになります。Intelは既にAI実行に適した半導体製品(正確にはディープラーニングの学習および推論に適した半導体製品)を発表しており、理研らの取り組みに関しても何らかの成果物が期待されます。

両翼を欠いた東芝の成長戦略

 東芝が2017年3月14日に発表した経営再建策は、既に売却(外部資本の導入)を決めているメモリ事業と海外原子力事業から撤退しながら、2019年度の売上高4兆2000億円、売上高経常利益率5%を目指すというものでした。

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