深刻な造作大工不足に直面する建設現場。この課題解決に向けて大東建託は、人と協働するビス留めロボット「D-AVIS(デービス)」の開発に着手。このたび、現場試行を始めたばかりの試作機によるデモンストレーションを建設中の集合住宅で披露した。
人手不足や高齢化、これに伴う熟練技能者の減少は、さまざまな業界で大きな課題となっている。こうした波は製造業のみならず、建設業にも押し寄せており、特に住宅の内部造作(壁や天井、窓枠、建具など)を手掛ける造作大工の減少が深刻な問題だという。
「2015年当時、8453人いた造作大工の登録人数が、2019年現在で6978人と、約5年間で1475人も減少している。同時に高齢化も進んでおり、50〜60代が42.5%も占め、10〜20代の若手はわずか14.4%しかいない」と、大東建託 施工品質管理部 部長の泉和宏氏は、同社協力会に登録する造作大工の登録人数の推移を基に、深刻な造作大工不足の実情を説明する。実際、造作大工が不足していることが原因で作業が遅延し、工期に影響が出るケースも出始めているとのことだ。
当然、単純に人を増やせばすぐに解決する問題でもなく、現場では法令などで定められた施工基準を満たし、一定水準以上の施工品質が求められる。従来であれば熟練工と呼ばれるベテランが品質確保に寄与してきたわけだが、そうした人材の確保も難しい状況に陥っている。
こうした深刻な課題に直面する大東建託は、造作大工不足の解消と施工品質の均一化を目的に、人と協働するビス留めロボット「D-AVIS(デービス)」の開発に着手。このたび建設中の集合住宅において、D-AVISによるビス留め作業のデモンストレーションを報道陣に初披露した。なお、実現場での試行は今回で2度目。2019年4〜6月の間で10件以上の現場で実証実験を行い、課題抽出などを進めていく計画だという。
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