こうしてデータを利用した「顧客の生産性アップ」「サービス活動プロセスの改革」を実現したコニカミノルタであるが、東氏は「最初はソフトウェア開発と同じように、モデルを作り込めば作り込むほど精度が向上していくと考え得ていたが、そうではなかった」と着手当時の考えは浅慮であったと語る。
「自分たちは製造業なのでデータ取得の技術開発を別プロセスでまわし、そのあとにビジネスとデータの理解をした上で、モデルを作成していった。これは機械学習的にデータを処理するアプローチだが、そこにSASのコンサルティングによって統計学的な評価を加えることができたのは大きな前進だった」(東氏)
東氏はこう述べ、「製造業的なアプローチ」だけでは前進が難しかったと認める。その上で「自分たちに合ったプロセスが必要」と、結果やそこに向かうモデルの作成も重要ながら、「どうやってそこにたどり着くか」のプロセスがさらに重要であると体感できたことが、今回の取り組みで得られた教訓であるとする。
そのプロセスの重要性を説く中で東氏が述べた際に象徴的だったのは、「データの分析と理解で、工数の3分の1を使った」というくだりだ。
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