熊谷組は、流体解析とVR(仮想現実)を組み合わせ、目に見えない3次元の風の流れをVR空間で可視化する技術を開発した。
熊谷組は2018年3月、VR(仮想現実)を活用して、風の流れを可視化する技術を開発したと発表した。流体解析とVR技術を組み合わせ、目に見えない3次元の風の流れをVR空間で可視化するもの。紙の資料から検討する従来方法に比べ、複雑な風の流れを視覚的に捉えられ、ビル風の原因をより容易に把握できる。
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同技術は、「流体解析」と「VRアプリケーション作成」の2つのシステムから成る。両システムはそれぞれ独立しており、流体解析ソフトウェアの種類を問わず、VRによる可視化が可能だ。
流体解析システムは、解析結果から得た風速や風向きのデータを指定のフォーマットで出力する。また、VRアプリケーション作成システムは、この解析データと建物周辺の3Dモデル、プラットフォームUnityを用いて、VR空間で風の流れを可視化するアプリケーションを作成する。
画像を投影する端末機には、Androidスマートフォンで動作するサムスンのGearVRを採用。専用のPCを用意する必要がないため、会社から離れた場所でのプレゼンテーションや打ち合わせにも使える。
VRアプリケーションをLANに接続すれば、同じ空間を複数の人が同時に体験でき、VR空間内を自由に歩き回れる。これにより、打ち合わせやプレゼンテーションの際、参加者の間で、意思疎通が図りやすくなる。
また、専門知識がなくても「どこでどのように風が流れるのか」「強い風、弱い風がどこで吹くのか」を視覚的に捉えられる。これにより、設計者や顧客との合意形成や、強風による事故について注意を促すためのツールとして活用できる。
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