セキュリティの予防予見を担う「SOC(セキュリティオペレーションセンター)」に注目が集まっている。トレンドマイクロは「工場系SOCに対する優先度は高い」と、製造業のセキュリティ確保に注力する考えを示した。
「つながる世界の安全を守るためには、一元的な可視化と素早い対応を行うためのセキュリティオペレーションセンター(Security Operation Center:SOC)が重要になる」
トレンドマイクロが2018年3月28日に行った法人向け事業戦略説明会の中で、同社代表取締役社長兼CEOのエバ・チェン氏はこう語り、IoTの普及や実用化の迫る5G、ランサムウェアをはじめとしたサイバー攻撃の激化などから、安定した企業活動のためには、インシデントごとの個別対応ではなく、SOCを通じた一貫性のある対応が重要になるとの見解を示した。
加えて、同社取締役副社長の大三川彰彦氏は「工場系SOCに対するプライオリティが高い。安川情報システムとの取り組みなどを通じて、産業機器やゲートウェイ、監視カメラ、ロボットなどを対象にした、業務特化型SOCの構築と展開、運用をパートナーと進めていく」とスマート工場に対してのセキュリティ施策を積極的に展開していく方針を明らかにした。
SOCは導入した製品やサービスを適切に運用し、セキュリティ上の脅威がないかを監視する部署であり、万一セキュリティ事故が発生した際に緊急対応に当たる「Computer Security Incident Response Team(CSIRT)」に対しては予防予見の役割を担う。そのために重要性は認識されながらも、組織している企業は決して多くない。WannaCryやStuxnetといった大きな脅威を経験した製造業であっても同様である。
そこでトレンドマイクロではSOCの導入支援だけではなく、SOCをサービスとして、セキュリティの専門知識を有するサービスプロバイダー(MSSP)へ提供し、MSSPから企業に提供することで自社だけではSOC設立の難しい中堅・中小企業にも「つながる世界の安全」を提供したい考えだ。
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