「設計者CAE」という言葉が設計現場で聞かれるようになって久しいですが、3D CAD推進とともにきちんと設計者CAEに取り組んでいる企業もあれば、まだ途上あるいは全く着手していないという企業もあるかと思います。連載第4回では、最も効果的な設計者CAEの推進方法と、ゴールの見えない解析依頼への対処について考察します。
前回「CAEの稼働率が上がるに従い募る不安、『この解析結果は正しいのか?』を大切に」では、CAEを用いた比較検証とV&V(Verification and Validation:検証と妥当性確認)について紹介しました。
筆者としては、モデルの比較検証でCAEを使用することが、最も効果的な“設計者CAE”だと考えます。同じ解析条件(負荷荷重、拘束条件、物性値)を入力して、さらに同じメッシュサイズを設定することによって、解析結果の精度が実態と異なるものであったとしても、仮想検証上は同じ解析精度で、異なるモデル形状の優劣をシンプルに検証できるからです。
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