日立製作所は、最適な生産計画の自動立案を行う「工場シミュレーター」と、3D CADデータを基に3D作業手順書を自動生成する「組立ナビゲーションシステム」を、同社のIoTプラットフォーム「Lumada」の産業分野向けソリューションコアとして提供する。
日立製作所は2017年10月17日、最適な生産計画の自動立案を行う「工場シミュレーター」と、3D CADデータを基に3D作業手順書を自動生成する「組立ナビゲーションシステム」を、同社のIoTプラットフォーム「Lumada」の産業分野向けソリューションコアとして同年11月から提供を開始すると発表した。
同社は同年5月にLumadaの産業分野向けソリューションコアとして、「進捗・稼働監視システム」と「作業改善支援システム」を発表しており、今回発表のシミュレーターおよびシステムは、同ソリューションコアを強化するものである(関連記事:IoT活用で多品種少量生産工場における作業進捗見える化と作業改善を支援)。これらを導入することで、多品種少量生産工場における生産リードタイムを短縮できるとする。
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近年、ユーザーニーズの多様化、グローバル競争の激化、そして、急速なデジタル化の進展により、多品種少量生産への対応が必要となりつつあり、多品種少量生産においても従来の大量生産と同等の生産性が求められているという。
多品種少量生産を実現する上では、超短納期品の受注、急な納期変更/仕様変更、生産計画の頻繁な変更といった要求に応える必要がある。しかし、実際のモノづくり現場の多くでは、これを実現しようとすると生産遅延、生産スループットの低迷、設備稼働率の低下といった課題に直面してしまう。
こうした多品種少量生産の実現に向けた課題を克服すべく、日立製作所は実際に制御装置などの多品種少量生産をしている大みか事業所(茨城県日立市)にて、生産リードタイムを約50%削減することに成功した高効率生産モデルを汎用化。これを基に、今回、全体最適化を実現する工場シミュレーターと、設計効率と生産品質向上に役立つ組立ナビゲーションシステムを、Lumadaの産業分野向けソリューションコアとして製品化した。
ちなみに、大みか事業所で実績を上げている高効率生産モデルには、同年5月に発表済みの進捗・稼働監視システムと作業改善支援システムも含まれており、RFIDタグを活用した人とモノの動態監視/場内物流の可視化、ボトルネック作業分析/対策などを実現している。
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