インジウムを用いて電磁波透過膜の成膜を行う従来手法と比較し、最大50%のコスト削減を実現しながら同程度の電磁波減衰率を実現する、新しい電磁波透過膜の成膜技術を、JCU、島津製作所、きもとの3社と、関東学院大学が共同開発。ミリ波レーダーに対応する自動車エンブレム分野での展開を狙う。
近年、自動車や歩行者を検知するための車載用センサーとして、ミリ波と呼ばれる高周波を使用する「ミリ波レーダー」に注目が集まっており、ミリ波レーダーを搭載する自動車は2030年に4700万台を超えるといわれている。
ミリ波レーダーは、車体正面のエンブレムの内側に設置されるケースが多いため、ミリ波レーダー搭載車のエンブレムは、電磁波を透過する必要がある。自動車のエンブレムは光沢や色彩といった意匠性も必要となるため、現在、ミリ波レーダーに対応するエンブレムは、海外企業が開発したインジウムを蒸着させる手法で電磁波透過膜の成膜を行っている。
しかし、インジウムは希少金属である上に成膜が難しいため、コストや歩留まりが課題となっており、ミリ波レーダーを搭載する自動車のエンブレムの電磁波透過膜を低コストかつ効率的にコーティングする技術が求められてきた。
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