実現に向けた開発が続けられている完全自動運転車だが、運転を人ではなく機械が担うことで「有事の際の責任がどこに帰するか」という問題が浮上する。法学的な観点から現状を解説した、明治大学 中山教授の講演を紹介する。
乗り込んで行き先を告げれば、後はクルマが全ての運転を肩代わりしてくれる――。そんな完全自動運転の実現に向けた努力が各所で続けられている。自動運転に程度は存在するものの、あるレベル以上ではこれまで人間のドライバーが責任を負っていた運転という動作を一部でも機械が肩代わりする。その際に浮上する問題が「責任の所在」だ。
この問題を取り上げたセミナー「自動運転社会における責任問題はどう解決すべきか」が、2017年2月23日にJEITA(電子情報技術産業協会)の主催で開催された。現時点では完全な自動運転車の実用化はなされていないために、「完全自動運転車が事故を起こした場合の責任所在」については将来に向けた話題となるが、自動運転技術そのものは既に市販車へ搭載されており、その進化は止まることなく続くだけに重要な問題といえる。
製造物責任法(PL法)が製造業にとって重要なものであるように、「自動運転車における責任」が、自動車開発に携わるものにとって重要である。ここでは本セミナーにて行われた明治大学法科大学院教授 中山幸二氏の講演「自動運転車実現に向けた 法的課題と法整備の最前線」を紹介する。
※本資料はTechFactoryの記事をまとめたブックレットです。
本電子ブックレットは、TechFactoryに掲載された「自動運転車が起こした事故にメーカーは責任を持つか」をもとに製作しています。
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