「病院での診断に人工知能を活用する」とは現実味を帯びているシナリオだが、来院する側の意識は「人工知能による診断」を受け入れることができるだろうか。ジャストシステムのネットリサーチサービス「Fastask」調べ。
IBM「Watson」によるがん治療など、人間以上の計算力や解析力を持つ人工知能を医療現場に導入しようという動きが広まっている。しかし、治療を受ける側の意識に変化は起きているのか。
ジャストシステムは2016年11月22日、医療における人工知能(AI)とロボット活用に対する意識調査の結果を発表した。「医療現場での人工知能(AI)活用に賛成か反対か(ここでの活用は「診断への活用」の意)」を尋ねた質問に対して、賛成が38.1%、反対が11.2%、どちらでもないが38.7%、よく分からないが11.9%と、賛否だけで言えば賛成が多いものの、多くの人が判断をしかねている状況であることが明らかとなった。
そして人工知能(AI)を活用した診断について賛同した人へその理由を尋ねたところ、トップは「待ち時間などのストレスが緩和されそうな気がする」(46.7%)であり、次点として「根拠を示してくれて結果に納得できそうだから」(45.8%)、「治療にかかる時間的なコストが改善されそうだから」(45.3%)、「治療にかかる金銭的なコストが改善されそうだから」(40.1%)と続いた。
これは現状の病院に対しての不満(待ち時間の長さ、時間・金銭的なコストなど)が人工知能の導入による効率化によって、改善されるのではないかという期待が込められているものと考えられる。調査では直近1年間のうちに病院へ行った人のうち、62.7%が何からの不満を感じているともしており、病院で感じる不満の解決策として、人工知能の導入が期待されていることの査証ともいえそうだ。
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