トロンフォーラムは「2015 TRON Symposium(TRONSHOW)」の開催概要を発表。TRONプロジェクトリーダーの坂村健氏がIoTエンドデバイス向けの組み込みプラットフォーム「IoT-Engine」の存在を明らかにした。
トロンフォーラム(旧称:T-Engineフォーラム)は2015年12月7日、同年12月9日より開催する「2015 TRON Symposium(TRONSHOW)」(東京ミッドタウン 2015年12月9〜11日)の開催概要を発表した。
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1984年のTRONプロジェクト誕生から31年目を迎え開催される今回のTRON Symposiumは43組織(27企業、16組織)が出展。会場内は「次世代リアルタイムシステム技術展」「IoT/ユビキタス・コンピューティング展」のゾーンに分けられ、日本発のオープンコンピューティングプロジェクトであるTRONプロジェクトの“今”と“未来”が紹介される。
基調講演はTRONプロジェクトリーダーの坂村健氏(東京大学大学院情報学環 教授 YRP・ユビキタスネットワーク研究所長)が「OPEN IoTへむけて―2015年のTRONプロジェクトと今後の展望―」と題して行い、加えて特別セッションとしてオリンピック開催の2020年にむけた社会のICT化、いわば“Service 4.0”について、坂村氏をはじめ総務省の山田真貴子氏、ホテルオークラの高橋淳氏らが議論する「2020年に向けた社会全体のICT化推進」が行われる。
その他のセッションとしては「組み込み機器のための機能安全対応TRON Safe Kernel」「IoTの普及とともに高まるセキュリティの脅威、機器設計者はどう構えるべきか?」といった組み込みセキュリティに関するセッションや、「公共交通オープンデータ」「歩行者移動支援とオープンデータ」といったオープンデータ活用のセッションなどが行われる。もちろん、TRONプロジェクトの最新情報をキャッチアップできるセッションも各種行われる予定だ。
開催概要の席で坂村氏が“隠し球”として紹介したのが、IoTエンドデバイス向けの組み込みプラットフォーム「IoT-Engine」だ。これはRTOS「μT-kernel 2.0」を搭載した小型モジュールで、IEEE 802.15.4の無線機能とCoAPならび6LoWPAのプロトコルを搭載し、エネルギーハーベストでの動作も可能な低消費電力設計が施されている。Arduino互換のI/O割り当てもある100ピンコネクターは、コネクターの標準化も狙う。
IoTを目指す団体や技術は数多くあるが、そのなかでTRONプロジェクトは何を目指すのか。坂村氏は「TRONプロジェクトの強みはオープンアーキテクチャであること。TRONは組み込みコンピュータ、いわば“基本部品”であり、いろいろな応用がきくはず」と展望を述べる。
「2015 TRON Symposium(TRONSHOW)」の開催は2015年12月9〜11日で、会場は東京ミッドタウン B1 Midtown Eastホール。入場料は1000円だが、事前登録により無料となる。同時開催されるIEEE Consumer Electronics Society技術協賛の論文発表セッションへの参加は別途登録が必要だ。
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