CROSS-VALUE INNOVATION FORUM 2018 レポート
パナソニック100周年イベントで見た“現場プロセスイノベーション”の現在地(1/2 ページ)
パナソニックの創業100周年を記念して開催された「CROSS-VALUE INNOVATION FORUM 2018」の展示会場から、製造、物流、流通の課題解決を提案する「GEMBA PROCESS INNOVATION」のエリアの様子を詳しくレポートする。
創業100周年を記念して開催されたパナソニックのプライベートイベント「CROSS-VALUE INNOVATION FORUM 2018」(会期:2018年10月30日~11月3日/会場:東京国際フォーラム)の総合展示では、複数のエリアが設けられ、暮らしや街づくり、モビリティーなどをテーマに、さまざまなコンセプトが披露された。
本稿ではそのうちの1つ、パナソニック コネクティッドソリューションズ社(CNS社)による“現場プロセスイノベーション”の取り組みを中心に紹介する「GEMBA PROCESS INNOVATION」のエリアについて取り上げる。
このGEMBA PROCESS INNOVATIONのエリアでは、製造、物流、流通業界を取り巻く課題に対して、パナソニックの技術力とノウハウがどのように、現場プロセスに革新をもたらすのかを披露。展示会場では「つくる」「はこぶ」「うる」の一連の流れにリンクする形で、生産自動化ラインや自動搬送システム、欠品検知ソリューションなどのデモンストレーション環境が所狭しと並べられていた。
◎「スマート工場/工場IoT/製造業IoT」関連の 事例、課題、解説 動向など:
» パナソニック佐賀工場は2つの顔を持つ、全長100mの生産フロアで見たスマート工場の可能性
» 製造業が変わらなければならない「理由」とスマート工場の実現に必要な「視点」
» オムロンが示す「産業用ロボットの未来」――人との新たな協調、設備との協調へ
お弁当容器に蓋をするロボットアームが人手不足と食の安全に貢献
まず、「つくる」のゾーンでは、人手不足解消と食の安全を実現するアプローチとして、ロボットを活用した食品工場の生産ライン自動化ソリューションを訴求。現在、食品工場の中にはお弁当の容器に蓋を閉める作業など、多くの人手による作業がある。当然、工程の中に人手が入れば入るほど衛生面で品質に影響を及ぼす。そのため、「ロボットを活用した自動化ソリューションに注目が集まっている」(説明員)という。
展示エリアでは実際に、スキューズ製の2台のロボットアームがお弁当の容器に蓋をする動きの様子を紹介した。「このソリューションは、ロボットなどを用いて自動化ソリューションを提案するスキューズが開発、コンセプト作りを担い、全国に拠点を持つパナソニックがその製造、販売、メンテナンスサービスなどを提供する。まずは双方の強みを生かしたコラボレーションの形で展開を進め、将来的にはパナソニックのモノづくり技術も同ソリューションのさらなる改善に活用したい。またデータ活用の観点から、サプライチェーン全体の最適化においてパナソニックの技術力やノウハウを生かすことができる」と説明員。
同ソリューションは現在、コンビニエンスストア向けのお弁当製造などを手掛ける食品工場などに導入されており、「1つのロボットで3秒に1個のペースで、お弁当の容器に蓋を載せられる。このソリューションではトータル4台のロボットを並べて一度に制御できるため、フルで稼働させれば1時間当たり5000個程度のお弁当を処理できる」(説明員)
力持ちのAGVが作業負荷の高いカゴ台車の移動をお手伝い
「はこぶ」のゾーンでは、同じくロボット(AGV:無人搬送車)を活用した自動搬送システムを訴求。物流施設のオペレーションを自動化、省人化することにより、コスト削減と作業者の安全確保が実現可能だという。
物流倉庫などにあるカゴ台車の移動は、従来人手により行われており、作業負荷も高く、効率化や省人化が求められてきた。
今回披露された独自開発のAGVは、狭いカゴ台車の下にするりと入り込み、リフトアップをして所定の位置までカゴ台車を自動搬送してくれるシステムである。最大800kgまでの重量を持ち上げることができ、物流倉庫、小売のバックヤード、工場の材料搬送などに活用できるとする。現在、2019年度の量産化を目指し開発を進めているという。「ロボットがあらかじめ地図を作製し、空間を認識。レーザーで壁を検知して自身の位置を推定しながら、決められた場所にあるカゴ台車を取りに行く仕組みだ。将来的にはカゴ台車にバーコードやRFIDなどを付加して、より高度な作業指示が可能なシステムの構築も目指したい」と説明員。
フォークリフトで通過するだけ、瞬時に複数荷物のバーコードをスキャン
さらにその横では、パナソニックが買収したZetes Industries(ゼテス・インダストリーズ)の物流ソリューションを用いた、入出庫業務の効率化について提案していた。
通常、商品などの入出庫処理を行う場合、荷物に付加されたバーコードを手作業で1つずつスキャナーなどで読み取る必要があり、非常に手間と時間がかかっていた。また、手作業であるためミスも発生しやすいという課題も抱えていたという。
同ソリューションは、バーコードの付いた荷物を、専用ゲートの前を通過させるだけで入出庫処理が瞬時に行える。しかも、複数の荷物(バーコード)をまとめて一括で処理できるため、例えばフォークリフトに荷物を複数積載した状態のまま、ゲートを通過するだけで処理が完了してしまうという。
「世の中には、停止した状態のものを複数同時に処理したり、動いているものを1つだけ処理したりするものは存在するが、一括してたくさんの荷物(のバーコード)を同時に、スピーディーに処理できるソリューションはない。万一、誤った荷物が含まれていたらシステム側でそれを通知してくれる」(説明員)
同ソリューションは、カメラを搭載したゲートと画像解析アプリケーションで構成され、ゲートの形状やデザインに関しては「設置先の環境に合わせて最適なものを提案する」(説明員)としている。欧州では、コカ・コーラなどが同ソリューションを既に導入済みとのことで、今後日本での展開を進めたい考えだとする。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
企業戦略(FA)
この記事の著者
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社 Green AI] AIで脱炭素計画を最適化、初年度からエネルギーコストとCO2を削減する方法 -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 「ペロブスカイト太陽電池」の普及戦略が公表 政府が目指すコスト・導入量のロードマップを解説 -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 導入が加速する再エネ・系統向け蓄電システム コスト・収益性の現状分析 -
技術文書・技術解説
[スマートジャパン編集部] いまさら聞けない「ペロブスカイト太陽電池」の基礎知識と政策動向 -
技術文書・技術解説
[スマートジャパン編集部] 「ペロブスカイト太陽電池」の開発動向、日本の投資戦略やコスト目標の見通しは?
関連記事
こんなメディアも見られています
TechFactoryに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
特集
- マテリアルズ・インフォマティクスの動向調査
- 研究・開発職のデジタル活用調査
- 設計・解析業務におけるAI活用
- 3Dプリンタ利用動向調査
- CAD利用動向調査
- つながる工場の現状と課題
- 製造業におけるAI開発および活用の実態
- 設計・製造現場における品質管理
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版:フィジカルAIが生み出す新たな「設計思想」――電子版2026年8月号
-
2
半導体装置メーカー 業績まとめ【2027年3月期第1四半期】
-
3
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part4)
-
4
一時は時価総額トヨタ超え キオクシア2026年度の動向
-
5
微細配線間の絶縁劣化をどう捉える? 先端パッケージ評価の最前線
-
6
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part1)
-
7
EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版:2026年上半期の半導体業界を振り返る――電子版2026年7月号
-
8
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part3)
-
9
CADツールの見直しは本当に必要? 切り替えの理由と効果を7つの質問で検証
-
10
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part2)
TechFactory SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechFactoryをフォロー