パナソニックCNS社
「ソリューションでやっていくと決めた」パナソニックCNS社 樋口社長
創業地である大阪を離れ、東京への本社移転を示したパナソニック コネクティッドソリューションズ(CNS)社。樋口社長は顧客ありきの姿勢を鮮明にし、ソリューションビジネスを強める方針である。
「門真発想では限界がある」と創業地である大阪を離れ、東京への本社移転を示したパナソニック コネクティッドソリューションズ(CNS)社。2017年4月1日付人事でパナソニックの専務役員に就任し、CNS社の社長も務める樋口泰行氏は「顧客の困り事を解決するカンパニーにならなくてはならない」と、本社移転も「顧客ありき」の姿勢を鮮明に打ち出す施策の一環であるとした。
樋口氏は1980年にパナソニック(旧松下電器産業)に入社後、ボストン・コンサルティングやアップル、日本ヒューレットパッカード(HP)、ダイエーなどを経て、日本マイクロソフトの社長を10年務めた経歴を持つ。「外資系は疲れるからこれからはスローライフかな」(樋口氏)と一線を退くことも考えたと言うが、請われてのパナソニック復帰となった。
パナソニックの「B2Bビジネス」を明確に
復帰に際して掲げるのは、「確固たるB2Bビジネスのビジョン」と「変革の方向性」の2つである。
前者に対しては日本製造業の課題として挙げた「市場縮小とコモディティ化」に対抗すべく、複数品/複数要素を組み合わせたすり合わせ提供と顧客の困り事を解決するカンパニーとしての存在感発揮を狙う。「顧客から見ると“ラストワンマイル”はまだ残っている。単なるベンダーから、困り事を解決するカンパニーになる。この方向性を進化させていきたい」(樋口氏)
社名に含まれる「コネクティッド」には、「つながる」「つなげること(で生まれる付加価値)」の意味が込められている。製品の単なる販売ではなく、持つ要素技術をつなげることでパナソニックならではの価値を創造して提供していく。そのためには事業部や人的リソースの柔軟性も必要となるが「何よりも大切だ」と樋口氏が強調するのは、顧客との接点である。
「入社する前から、B2Bビジネスをやるならばいつかは東京に行かなくてはならないと思っていたが、納得と腹落ちしてもらえるかを考えてしばらく寝かしておくことにした。しかし、門真から大阪市内への移転計画を知って、移転するなら東京だろう決めた」(樋口氏)
顧客との接点を増やし、保有技術のすり合わせで困り事を解決するカンパニーとなる。これはモノ売りからコト売りへのシフトとも表現できる。樋口氏はこの変化を「これまではモノを起点にした組織になっていたが、これをお客さま起点の組織にする」と表現、東京への移転を契機に顧客対応部門の有機的な結合を推進する。
「ソリューションでやっていくと決めた」
「困り事を解決するカンパニー」というと聞こえはよいが、製造業各社は相次いで類似の方針を打ち出している。自社ならではの強みを持たなければ、成長は見込めない。樋口氏は決済端末や高輝度プロジェクター、産業用ロボット、実装機、アビオニクスシステムなどの分野に強みがあると自社を分析した上で、「サービス産業におけるオートメーション化」に期待を寄せる。
製造やサービスの現場における人手不足は深刻であり、単純な時給増では対応できなくなりつつある。倉庫や調理など人手が必要な部分をオートメーション化したいという要望は寄せられており、CNS社の保有する事業や技術、製品の融合で対応していく。「パナソニックならば、End to Endでやってくれるのではないかという期待が寄せられている。総合力で対処できる部分が強みになると考えている」(樋口氏)
保有技術のすり合わせについては、「やみくもに需要をくみ上げるようなことはせず、横展開できるように進めていく」(樋口氏)とむやみにその領域を増やすことはせずビジネス的なメリットを見極めながらの実行とする方針である。ただ、その見極め、判断を行うための指針はまだ明確にされていない。
「ソリューションでやっていくと決めた」と樋口氏は語るが、ソリューションビジネスに傾倒するとプラットフォーム側が利益を得る構造に巻き込まれることになる。これは樋口氏が務めていた日本マイクロソフトがWindowsやOfficeなどを武器にプラットフォーム側として得意とした手法だ。
樋口氏は「現場やOT(Operation Technology)を中心としたインテグレーターとしての存在感を発揮し、収益性の良いところを見極められれば勝負できる」と自社が持ち得る優位性を語った。
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