MathWorks Automotive Conference 2018
タケコプターのような“制約のない自由な移動”を目指す空飛ぶクルマ「SkyDrive」(1/2 ページ)
「MathWorks Automotive Conference 2018」の基調講演に登壇したCARTIVATORは、「日本発の空飛ぶクルマ“SkyDrive”の開発」をテーマに講演を行い、有志団体として活動するCARTIVATORの取り組み、空飛ぶクルマ「SkyDrive」の実現に向けたビジョン、最新の開発状況などを紹介。併せて同プロジェクトで、モデルベース開発(MBD)やシミュレーションのアプローチがどのように生かされているのか、その有効性を語った。
日本発の空飛ぶクルマ「SkyDrive」の開発
MathWorks主催「MathWorks Automotive Conference 2018」(開催日:2018年7月3日)の基調講演に、CARTIVATOR(カーティベーター) R&Dチーム チームリーダーの山本賢一氏が登壇。「日本発の空飛ぶクルマ“SkyDrive”の開発」をテーマに講演を行い、有志団体として活動するCARTIVATORの取り組み、空飛ぶクルマ「SkyDrive」の実現に向けたビジョン、最新の開発状況などを紹介した。
同時にSkyDriveの開発プロジェクトにおいて、MathWorks製品を用いたモデルベース開発(MBD:Model Based Development)やシミュレーションのアプローチがどのように生かされているのか、その有効性を語った。
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“制約のない自由な移動”の実現に向けて
CARTIVATORには、クルマの“Car”と開拓者の“Cultivator”を掛け合わせた造語である。自動車エンジニアや航空エンジニアだけでなく、その他各分野の専門家たちが所属しており、大きく技術領域、ビジネス領域で組織され、総勢140人ほどがその活動に参加している。主な活動拠点は、CARTIVATOR発足のきっかけとなった愛知、そして東京だ。愛知拠点では機体設計、実験、広報活動を、東京拠点では広報、渉外、技術に関する活動に取り組んでいるという。
CARTIVATORは、“空飛ぶクルマ構想ありき”でその活動をスタートさせたわけではなく、「モビリティーを通じて次世代に夢を提供する」というミッションの下、「21世紀の前半に取り組むべき夢は何か? それを突き詰めていった結果、『ドラえもん』のタケコプターで実現しているような“制約のない自由な移動”の実現という結論に至った」(山本氏)
具体的には「2050年までに誰もが自由に空を飛べる時代を作る(3次元交通システムの確立)」という目標を掲げ、その壮大なゴールに向けてCARTIVATORは空飛ぶクルマ、SkyDriveの開発に取り組んでいる。
そうした世界の実現を目指す中、CARTIVATORが“価値”として提供したいのが、「意のままに移動できる自由」「1秒でも早く移動できる自由」「道路がなくても移動できる自由」の3つだ。「空飛ぶクルマが大衆化することで、渋滞や道路の有無に関係なく、点から点へと自由に、早く移動できるようになる。そんな世界を実現したい」と山本氏は語る。
空飛ぶクルマの実現に必要なキーテクノロジーはそろった!?
「空飛ぶクルマ」というと、やや現実離れした発想のようにも感じるが「2010年以降、空飛ぶクルマの実現に必要なキーテクノロジーの進化がいくつも見られた」と山本氏は述べる。
その1つがドローンに代表される「マルチコプター技術」の進化だ。数年前から急速に市場が立ち上がり、個人用途から産業用途まで幅広い製品バリエーションが存在し、その利用シーンも撮影や記録、物資の輸送など多岐にわたる。こうしたマルチコプター技術の進化や普及が、空飛ぶクルマの実現には欠かせないという。
2つ目が「自動運転技術」だ。自動運転は、言わずと知れた自動車業界のホットキーワードであり、関連要素技術の進化とともに、急速に実用化への取り組みが加速している。「マルチコプターの技術と自動運転の技術を融合させれば、飛行機やヘリコプターのように取得の難しい専門資格を持った人でなくても、空飛ぶクルマの操縦ができるようになるだろう」(山本氏)
そして3つ目が「ライドシェア」である。日本では普及していないが、Uberに代表されるライドシェアサービスは世界的に浸透しており、所有するものからシェアするものへとクルマの在り方が大きく変わりつつある。空飛ぶクルマも同様に、ライドシェアの形態をとった発展が十分に考えられるという。
こうしたキーテクノロジーの進化を踏まえ、山本氏は「空飛ぶクルマが現実のものになろうとしている」という。この言葉の通り、CARTIVATORが空飛ぶクルマの構想を開始した2013年ごろと比較して、現在急速に空飛ぶクルマ開発に携わるプレイヤーが増えている。
つまり、CARTIVATORにとっての競合が増えているわけだが、それらに対し「機体設計」「ビジネス設計」「法規・ルール(の整備)」「インフラ設計」の4つの観点から空飛ぶクルマの実現を目指している点が、「他にはないCARTIVATORの強みだ」(山本氏)という。
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