ストラタシス Objet Eden 260VS|事例
サントリー、ペットボトル容器の試作リードタイム短縮に3Dプリンタを活用
サントリーMONOZUKURIエキスパートは、清涼飲料用ペットボトル容器の試作開発において、StratasysのPolyJet方式3Dプリンタ「Objet Eden 260VS」を採用。3Dプリンタ製樹脂型を用いた加工技術「デジタルモールド」による試作のリードタイム短縮に乗り出し、ペットボトル容器の試作評価期間の大幅短縮に成功したという。
ストラタシス・ジャパンは2018年2月27日、サントリーMONOZUKURIエキスパートが清涼飲料用ペットボトル容器の試作開発において、StratasysのPolyJet方式3Dプリンタ「Objet Eden 260VS」を採用したことを発表した。
サントリーMONOZUKURIエキスパートは、サントリーグループ共通のモノづくり業務(研究、開発、生産、調達、ロジスティクス、品質保証)を担っている。このたび、PolyJet 3Dプリンタで製作した樹脂型を用いた加工技術「デジタルモールド」を活用して、ペットボトル容器の試作評価期間の大幅短縮に成功。1回当たり1.5カ月要していた試作期間を最短3日まで短縮できたという。
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3Dプリンタ、シミュレーション、切削の3つを検証――採用の決め手は?
ペットボトル容器の開発は、軽量化と製品コンセプトを表現する高いデザイン性の両立が求められる。この2つの要求を限られた開発期間の中で実現するために、サントリーMONOZUKURIエキスパートは試作のリードタイム短縮を必要としていた。しかし、従来のペットボトル容器の試作はアルミ型を外注で製作する必要があったため、金型メーカーとのやりとりや、金属加工工程などが発生し、試作のリードタイムが長くなっていた。そのため、試してみたいペットボトル容器の形状があっても時間的な制約から断念せざるを得ない状況もあったという。
そこでサントリーMONOZUKURIエキスパートは、試作のリードタイム短縮に向けて、3Dプリンタ、コンピュータシミュレーション、切削加工の3つ方式を検証。シミュレーションでは計算時間が長く、得られた結果と実際のボトルデータとの間に乖離(かいり)が見られた。また、切削加工による金型の内製に関しては、仕上がりそのものは問題がなかったものの、CAMや加工機の設定などに多くの工数がかかることが分かったという。
このような検証の末、最終的に3Dプリンタで樹脂型を内製できるデジタルモールド技術の導入を決定。その決め手について、サントリーMONOZUKURIエキスパート SCM本部 包材部の秋山高志氏は「ペットボトルを製造する際のブロー成形工程では、樹脂型が成形時のヒーターの熱とエアー圧力に耐えられる必要がある。また、試作といっても型の表面が十分に滑らかでなければペットボトルの強度評価と外観デザイン評価に影響を与えてしまう。そのため、積層ピッチが細かく、後工程が簡易なStratasysのPolyJet方式を選択。樹脂の種類が豊富なことと造形スピードの速さから、Objet Eden 260VSを選定した」と述べる。
また、実際の導入効果について、サントリーMONOZUKURIエキスパート SCM本部 包材部 課長の加堂立樹氏は「従来の金型による試作評価は1回当たり1.5カ月要していたが、3Dプリンタ製樹脂型を使うことで、最短3日にまで短縮できた。さらに3Dプリンタ導入に併せて、パッケージエンジニアにも3D CADが使える人材を育成。コンセプトデザイナーも3D CADを活用しているので、両者が試作の前に同じ3D CAD図面を用いて検討することで、1回の試作評価の精度を高めることができた。試作評価が最短3日でできるので、試作品の実物とデータを持って、コンセプトデザイナー、マーケター、パッケージエンジニア、プロダクトエンジニアなどと迅速かつ正確な情報交換が行えるようになった」とコメントする。
今後、サントリーMONOZUKURIエキスパートでは、デジタルモールドの適用範囲を広げ、アルコール飲料や海外も含めたその他の事業部門への展開も検討。さらに、ペットボトルやパッケージの試作開発だけにとどまらず、生産現場の工具や治具の製作などにも関心を示しているという。
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