ショールーム訪問/切削加工体験
楽譜を書く「ペンプロッタ」から全てが始まった――ローランドDGの3Dモノづくり(1/4 ページ)
ローランド ディー.ジー.(ローランドDG)の「3Dものづくり事業」の中から、製品開発における「試作」で活躍する3次元切削加工機にフォーカス。誕生の経緯や主力製品の特長、そして実際に使用した感想などを紹介します。
ある分野で培った技術を応用して、新たな価値を生み出すことは、モノづくりにおいて非常に理想的な発展だと思います。そこで重要となるのが市場ニーズを読み取る力と発想力、そして挑戦を認める企業風土ではないでしょうか。今回紹介するローランド ディー.ジー.(以下、ローランドDG)も、そんな理想的なモノづくりを地で行く企業の1つです。
ローランドDGの礎を築いた「ペンプロッタ」技術
電子楽器のローランドのコンピュータ業界向け子会社として1981年に設立されたローランドDGは、翌1982年にPCに接続して作曲や自動演奏が行えるコンピュータミュージック機「CMU-800」と、同じくPCに接続して楽譜や図面を出力できるペンプロッタ「DXY-100」を発売しました。
この縦横(XY軸)にペンを動かすペンプロッタこそが、ローランドDGの礎を築くことになるのです。
XY軸に高さ(Z軸)を加え、ペンの代わりにドリルを持たせることで加工機が生まれ、ドリルの代わりに彫刻刀を持たせることで彫刻機が誕生しました。また、ペンプロッタのペンの代わりにカッターを持たせることでカッティングマシンが生み出され、そのカッターをインクジェットヘッドに置き換えることで業務用大型インクジェットプリンタが世に送り出されたのです。
今回はそんなローランドDGの「3Dものづくり事業」の中から、製品開発における「試作」の現場で活躍する、3次元切削加工機について取り上げたいと思います。
ローランドDGの3次元切削加工機ビジネス
現存するローランドDGのビジネスの中で、実は3次元切削加工機の歴史が最も長く、最初の製品「PNC-3000」が販売されたのが1986年のこと。この製品の登場を皮切りに、業界問わず数多くの試作開発現場にローランドDGの3次元切削加工機が普及していったそうです。
現在では、アルミなどの軽金属にも対応するハイエンドモデル「MODELA ProII MDX-540/MDX-540S」、作業テーブルなどの上にも設置できるスタンダードモデル「MODELA MDX-40A」とその上位機種「MODELA MDX-50」、そして切削加工によるモノづくりの魅力を広く発信する超小型(デスクトップサイズ)の3次元切削加工機「monoFab SRM-20」の4つの製品ラインアップを展開しています。
これら製品群に共通するのは、「簡単設置」「簡単操作」です。全ての製品が100V電源で動作するため、設置の際に電源工事をすることなくすぐに利用できる点が特長。「手軽に設置でき、低価格であるため、部門単位で導入(追加導入)されるケースもよくあります。また、マシニングセンタで金属加工をしているような現場でも、樹脂による試作を行う際は当社の3次元切削加工機が活躍していると伺っています」(ローランドDG 日本セールスユニット 国内マーケティンググループ 係長 伊藤智昭さん)。
また、一般的に難しいとされている「CAM」の操作もユーザビリティを追求し、対話形式で加工設定まで行える専用CAMソフトウェア「SRP Player」を用意。対話項目も5つと少なく、専門知識がなくても画面の説明の通りに設定していくだけで、加工開始まで行えます。「当社の3次元切削加工機は“誰でも簡単に”をモットーに操作性を追求しています。これまで切削加工機は専門知識のある人だけが使える道具でしたが、SRP Playerを使うことで、誰でも扱える道具としてご活用いただけます。現在では、モノづくりの現場だけでなく、教育機関やFab施設などにも多数採用されています」(伊藤さん)。
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