プロトラブズ 新工場見学ツアー
競争力アップにつながる短納期オンライン試作を実現するのは「ICT」と「人」だった(1/2 ページ)
オンラインによる試作・小ロット生産サービスを展開するプロトラブズは、2016年8月に拡張移転を行った本社/新工場の施設、設備などを報道関係者に公開。切削加工や射出成形といった同社主力サービスを行う工場内だけでなく、業務プロセス全体を一元管理する「デジタルマニュファクチャリングシステム」の心臓部であるサーバルームについても紹介した。
オンラインによる短納期の試作・小ロット生産サービスを展開する米Proto Labsの日本法人であるプロトラブズは2016年12月21日、報道関係者を対象とした工場見学ツアーを開催し、同年8月に拡張移転を行った本社/新工場内の施設、設備などを公開した。本稿では多数の写真を交えながら、同社サービスのおさらいと今後の展開について紹介する。
同社がProto Labsの日本法人として事業をスタートさせたのは2009年のこと。当時は約1000m2の敷地で業務を開始していたが、その3年後の2012年に神奈川県大和市に工場を移転し、敷地を約3倍の3000m2に拡張した。その後、顧客需要の増大やそれに伴う設備増強に対応すべく、2016年8月17日に日産座間工場の跡地にある大型物流センター(大型マルチテナント型施設「プロロジスパーク座間2」)内に拠点を移し、敷地を約9000m2に拡張。事業開始当時の約9倍という広大な敷地の中で、ICTを駆使した同社独自の「デジタルマニュファクチャリングシステム」を活用して、オンラインによる試作/小ロット生産の受託製造サービスを展開している。
新工場に潜入! 短納期オンライン試作はこうして実現されていた!?
現在同社が提供するのは、オンラインでの「切削加工」「射出成形」による試作・小ロット生産サービスである。利用者は、同社Webサイトの解析&見積もり依頼フォームにメールアドレスを記載して、試作を行いたい3次元CADデータ(設計データ)をアップロードし、加工方式などを指定して見積もり依頼を出すだけでよい。すると、平均3時間で見積もり結果と、アップロードした設計データに対する製造上のリスクや問題点などをレポーティングした製造性の解析結果をURL付きのメールで返してくれる。
利用者はその結果をWebブラウザ上で確認。万が一、修正が必要であれば、3Dビュワー上で指摘された箇所を参考にしながら設計データを変更すればよいのだが、その際、同社の専門エンジニアと電話をしながら細かな修正指示を受けたり、技術的な疑問点を相談したりすることもできる。
実は、ここまでが全て無料のサービスとして提供されている。実際に費用が発生するのは、注文を行ってからとなる。「オンライン」と聞くと人の顔が見えず、システマチックな対応しか受けられないと思うかもしれないが、人(専門エンジニア)と一緒に設計上の問題点やリスクを解決していける点が“単なるオンラインサービスではない”同社の強みの1つといえる。
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モノづくりを一気通貫で支援するデジタルマニュファクチャリングシステム
そしてもう1つ忘れてはならないのが、製造スピードである。先ほど見積書と製造性の解析結果を平均3時間で受け取れると説明したが、実際に試作品や小ロット生産品を受け取れるまでの「納期」についても迅速である。例えば、切削加工なら1~3日、射出成形も1~10日と超短納期で製造してくれる。金型設計を含む射出成形の場合、通常20~60日程度かかるとされているが、これが大幅に短縮されるわけだ。そのため、後工程に影響を与えがちな手間やコストの掛かる「試作」において、効率化が図れる。
なぜ、ここまでの短納期化を実現できるのだろうか。その秘密は同社独自のデジタルマニュファクチャリングシステムにある。オンラインでの見積もりや形状解析、製造設計、製造制御、製造管理、マーケティング、CRMまで、注文から工場での製造、製造したモノが顧客の手元に届くまでの全てのプロセスを、独自ソフトと10TFLOPS(テラフロップス)の処理能力を持つクラスタコンピュータにより一元管理を行っている。もちろん、顧客から受け取った大切な設計データについてもクラウドにアップロードせずに、全て同社内にあるデジタルマニュファクチャリングシステムにてセキュアに管理されている。
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