TechFactory通信 編集後記
「世界初」ずくめの3Dプリンタがついにベールを脱ぐ!
あれから2年――。
ついに出ました! ミマキエンジニアリングのUV硬化インクジェット方式フルカラー3Dプリンタ「3DUJ-553」。昨日発表会も開催されましたが2017年11月から販売を開始するそうです。ちなみに、本体の販売価格(税別)は1780万円だとか(関連記事:Mimaki技術の集大成、1000万色以上のフルカラー造形を実現する3Dプリンタ発売へ)。
筆者が同社の3Dプリンティング技術に初めて触れたのは、ちょうど2年前(2015年9月)のことです。当時は、3Dプリンタ本体の販売ではなく、1000万色以上のフルカラー造形を実現する「フルカラー3Dプリントサービス」を開始するというものでしたが、そのころから同サービスで使用する3Dプリンタの販売を視野に入れていました。そして、2017年3月に開催された「JAPAN SHOP」で開発段階の試作機「3DUJ-P」(仮称)を公の場で披露し、このたびついに正式販売にこぎつけました(関連記事:1000万色フルカラー3Dプリンタ、「色」にこだわり市場投入)。
「世界初」ずくめの3Dプリンタがついにベールを脱ぐ!
2年前のフルカラー3Dプリントサービスの発表会で見た(触れた)造形サンプルに、衝撃を受けたことは今でも忘れません。当時フルカラーといえば、石こうを用いたインクジェット粉末積層方式が主流でしたが、発色が悪く(ぼやけた感じ)、表面の仕上がり(ざらつき)や強度面での不安・不満がありました。
それが同社のUV硬化インクジェット方式では全く感じられませんでした。クリアな発色と高精細な仕上がりは、商業印刷とインク開発を手掛けてきた同社の強みがいかんなく発揮されています。また、当時見せていただいた指先ほどの大きさのドラゴンの造形サンプルは細部までしっかりと造形されており、3Dプリンティング技術の進化に驚かされました。
言うまでもありませんが、3DUJ-553の最大の特長は「世界初」(同社)をうたう1000万色以上のフルカラー造形を実現している点です。紫外線で硬化するUVカラーインクを吐出して一層ずつ積層していくUV硬化インクジェット方式を採用しており、造形と同時に着色も行われるため、石こうを用いたインクジェット粉末積層方式による出力物と比較して、高発色なフルカラー造形が可能だといいます。
実は、1000万色以上のフルカラー造形以外にも3DUJ-553には“世界初”がうたわれています。1つはPCモニター上で出力後の色を確認でき、モニター上の色と造形物の色を近づけることが可能なカラープロファイルを採用している点です。こちらはインクジェット方式3Dプリンタとして「世界初」(同社)の採用だそうです。
また、インクを循環させて顔料の沈殿を防止する「循環ヘッド」をインクジェット方式3Dプリンタとして「世界初搭載」(同社)する他、ノズルの状態を赤外線センサーが自動検知し、ノズル抜けを発見した場合に自動でクリーニングを実施してノズル抜けの解消を行う「NCU(Nozzle Check Unit)」も、3Dプリンタとして「世界初搭載」(同社)だといいます。
“世界初”ずくめの3Dプリンタ、ちょっと気になりませんか? フィギュアや立体地図などの製作はもちろん、製品試作やモックアップの作成に力を発揮してくれそうです。また、同社ならではの提案として、3D造形による立体モチーフと2Dを組み合わせたオブジェクト看板(サイングラフィックス市場)でも活用できるだろうとしています。気になる方は、3Dプリンタ関連の展示会などで直接、3DUJ-553やその造形サンプルに触れてみてください。きっと筆者と同じような衝撃を受けると思います。
◎編集部イチ押し関連記事
3Dプリンタの進化は止まらない! 最新動向を追う
» 1000万色フルカラー3Dプリンタ、「色」にこだわり市場投入
» あらゆる試作ニーズに応える新しい3Dプリンタを投入――設計から造形までがよりシームレスに
» 色・材料・接合強度などを保持できるボクセルベースの新3Dデータ形式「FAV」
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechFactory通信 編集後記
「モノづくり総合版 TechFactory通信」に掲載された、TechFactory担当者による編集後記の転載記事一覧です。
この記事の著者
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社 Green AI] 自動車業界には好機 脱炭素×コスト削減×現場改善を実現するエネルギー戦略 -
製品資料
[株式会社 Green AI] 脱炭素投資をすぐ回収したい 自動車業界にも有効なCO2削減アプローチ -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 「ペロブスカイト太陽電池」の普及戦略が公表 政府が目指すコスト・導入量のロードマップを解説 -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 導入が加速する再エネ・系統向け蓄電システム コスト・収益性の現状分析 -
技術文書・技術解説
[スマートジャパン編集部] いまさら聞けない「ペロブスカイト太陽電池」の基礎知識と政策動向
関連記事
こんなメディアも見られています
TechFactoryに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
特集
- マテリアルズ・インフォマティクスの動向調査
- 研究・開発職のデジタル活用調査
- 設計・解析業務におけるAI活用
- 3Dプリンタ利用動向調査
- CAD利用動向調査
- つながる工場の現状と課題
- 製造業におけるAI開発および活用の実態
- 設計・製造現場における品質管理
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
CAE解析をAIエージェントに任せてみた 人は何を担うのか
-
2
「見て覚えろ」が通じない時代 製造業の保全技術はどのように継承すればよい?
-
3
EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版:製造現場にフィジカルAIをどう実装するか――電子版2026年9月号
-
4
スマート工場動向調査2026
-
5
はじめての化学工学まとめ(Part1)
-
6
QC活動の形骸化はどう防ぐ? 実効性のある業務へ転換する3つの解消策とは
-
7
自律走行搬送ロボット(AMR)の位置推定と自律走行はどこまで高精度化できる?
-
8
動き出したファナックの「フィジカルAI」
-
9
製造現場などを支える状態監視システム サンプリングの位相ずれを減らすには?
-
10
【読者調査結果】製造業の脱炭素動向調査2026
TechFactory SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechFactoryをフォロー