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エレクトロニクス分野で相次ぐ買収劇、「パニックバイ」の可能性は企業動向を振り返る 2016年11月版

過去1カ月間のエレクトロニクス関連企業の動向をピックアップしてお届けする「企業動向を振り返る」。年末が見えそろそろ落ち着いたかと思いきや、SiemensによるMentor Graphics買収という大型案件がありました。

» 2016年12月21日 09時00分 公開
[渡邊宏TechFactory]

 2016年のエレクトロニクス業界は「大型M&Aに満ちあふれた年」として、記憶されるに違いありません。

 大きなものをざっと列挙するだけでも、ソフトバンクによるARM買収、ON SemiconductorによるFairchild Semiconductor買収、QualcommによるNXP Semiconductors買収などが挙げられます。約1年前にはNXP SemiconductorsがFreescale Semiconductorの買収を完了しており、ここ1年を振り返ると随分、プレーヤーの顔ぶれに変化が起きたものだと思います。

 M&Aの目的としては「売り上げ規模や製品ポートフォリオの拡張によって競争力を高める」「不足する技術や製品を補う」などが一般的とされ、買収金額が高額になることの多いエレクトロニクス分野において、関連性の薄い企業間でのM&Aは異業種参入が目的でなければあまり行われてきませんでした。

 ですが、2016年はこれまでにないほど、この「例外的な買収」が多く行われた年になりそうです。Qualcomm(NXP Semiconductors)とソフトバンク(ARM)、Samsung Electronics(Harman International)それにSiemens(Mentor Graphics)が直接的なポートフォリオ強化に結び付きにくい企業を買収しています(カッコ内は買収先企業)。そのなかでも買収側と非買収側の親和性が低そうに思えるのが、SiemensによるMentor Graphics買収です


なぜ「機械のSiemens」が「電気のMentor」を買うのか

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