連載
ソフトウェアテストの未来(後編)――テストが開く明日への扉:IoTとAI、ビッグデータ時代のソフトウェアテスト(11)(2/5 ページ)
AIが一般化してもソフトウェアテストを取り巻く環境は厳しいままなのだろうか?ソフトウェアテストの過去をひもときながら、その未来を予想する。完全自動のテスト、あるいはテストのいらないプログラミングは実現するのだろうか。
1990年代――テストツール揺籃時代
1980年代後半からC言語が主流のプログラミング言語になると、これに対応したテストが取り入れられ、1990年代にかけてテストツールもC言語に対応したものが出てきた。例えば、バウンダリチェックをするツールやメモリの開放漏れをチェックするツールなどだ。
時代が進み、プログラミング言語の主流がCからC++、そしてJavaやC#などのオブジェクト指向言語に移り変わってくると、対応するテストツールもこれらの言語をサポートするようになった。これらの言語は統合開発環境(EclipseやVisualStudioなど)で開発され、その環境でテストも実施できるようになった。加えて下流のテストツールだけでなく、上流のテストツールや上流から下流までつながるテストツールも出てきた。
これらのテストツールは自動化の波に乗っていくことになるが、自動化の流れはツール中心のテスト技法を招くことになり、テスト技術者の地位を低下させることになった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ソフトウェアテストの施策と運用(前編)――IoT時代を生き抜くテスト施策
変化する時代の中で、ソフトウェアテストはどのようにあるべきか。変わらなくてはならないならば、どう変わるべきか。今回はこれらの質問に対する解として、「新時代のテスト施策」について考察する。 - ソフトウェアテストの試練(後編)―IoTとAI、ビッグデータが愛したテスト
IoTとAI、ビッグデータが一般化した時代に求められるソフトウェアテストとは、どのようなものになるのか、今回は新時代に求められるテストの必要条件とは何かを見ていくことにする。 - ソフトウェアテストの試練(前編)―IoTとAI、ビッグデータの試練を乗り越える開発
IoTやAI、ビッグデータのソフトウェアテストにどんな試練と障壁が待ち受けていて、その壁は登り越えられるのか。今回から新時代のソフトウェアテストの試練について見ていく。まずはテストに深く関係する「ソフトウェア開発」について振り返る。 - ソフトウェアテストの手法と施策(後編)「テストの施策」を反省する
何らかの判断でソフトウェアテストの手法が選択できても、「どう実施するか」の施策もまた、重要な要素である。プログラマー個人からチーム、会社レベルまで、どのような施策をもってテストを実施すべきか検討していく。 - ソフトウェアテストの手法と施策(中編) 幸せになれるソフトウェアテストの選び方
ソフトウェアテストの選択はケースバイケースであり絶対な正解はないが、ベターな選択は存在する。そこでテスト手法の詳細を知り、選択基準を見てゆくことにする。