ソフトウェアテストの未来(後編)――テストが開く明日への扉:IoTとAI、ビッグデータ時代のソフトウェアテスト(11)(1/5 ページ)
AIが一般化してもソフトウェアテストを取り巻く環境は厳しいままなのだろうか?ソフトウェアテストの過去をひもときながら、その未来を予想する。完全自動のテスト、あるいはテストのいらないプログラミングは実現するのだろうか。
ソフトウェアがIoTやAI、ビッグデータとの関係が密接になっていく時代、ソフトウェアテストはどうなるのか。テスト手法自体はいままで同じながらその規模は爆発的に増大し、複雑さを増しながら発展していくのか。それとも時代に即した新しい手法が編み出され、完全自動テストが実施される世界が待っているのか。さらにテストを必要としない夢のようなプログラミング手法が登場するのか。AIによってソフトウェアテストは変わるのか。今回はテストの未来を見ていくことにする。
ソフトウェアテストの過去
ソフトウェアテストの未来を見ていく前に過去を振り返ってみよう。テストの過去からテストの未来を俯瞰できるかもしれない。まずはテストの歴史の概要を図1に示す。
【連載】IoTとAI、ビッグデータ時代のソフトウェアテスト
・第10回:ソフトウェアテストの未来(前編)――テスト技術者の将来と教育
・第9回:ソフトウェアテストの施策と運用(後編)――カギを握るテストの運用
・第8回:ソフトウェアテストの施策と運用(前編)―新時代を生き抜くテスト施策
・第7回:ソフトウェアテストの試練(後編)―IoTとAI、ビッグデータが愛したテスト
・第6回:ソフトウェアテストの試練(前編)―IoTとAI、ビッグデータの試練を乗り越える開発
1970年代――テスト原始時代
その昔、プログラミングを紙カードや紙テープで行っていた時代は、プログラミングはコストの掛かるものであった。このためプログラムを作りながらテストしてデバッグすることは金持ちでもできず、多大な時間を消費し、机上でプログラムコードをテストしていた。
これは今でいうソースコードレビューのような生やさしい話ではなく、まさに自分がコンピュータになりきり、実行タイミングも考慮して、レジスタの値もちゃんと把握しながら机上テストをしていた。当時の達人が書いたプログラムは、大型計算機に掛けたのちにバグが出るなどということは決してしなかった。計算機に出るバグは恥だったのだ。
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