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ソフトウェアテストの施策と運用(後編)――カギを握るテストの運用IoTとAI、ビッグデータ時代のソフトウェアテスト(9)(5/5 ページ)

新時代のテストに向けて立派な施策を打ち立てても、それを継続的かつ効果的に運用しなければ、絵に描いた餅である。今回は従来テスト運用を振り返りつつ、新時代のテスト運用について見ていく。

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弾力運用と第三者テスト

 結局、テストは難しい問題であり、施策も抽象的になり、その運用も弾力的(別名:テキトー)にならざるを得ない。また第三者によるシステムテストは難しい。中身を知っていて、それをテストで具体的に確認できるテストケースが必要になり、中の人がテストに必要になる。しかし中の人がテストをすると、正常系ばかりのテストをしてしまい、バグ発見に役に立たない。これを防ぐには監査人として、やはり外の人が必要になる。コストは2倍まではいかないが、1.5倍ぐらいに増大するだろう。

図4. テストは弾力的に
図4. テストは弾力的に

 今回はAIやIoT、ビッグデータ時代のテスト運用について見てきた。その中で多くの問題があった。従来のテスト運用にも困難な問題はあったが、新時代のテスト運用はその問題に加えて、多くの問題があることに留意して、テスト運用を進めていくことが求められるが、悲観主義でなく楽観主義で実施運用していきたい。

 次回はテスト教育とテスト技術者の育成について見ていくことにする。


著者紹介

五味 弘(ごみ ひろし):OKI(沖電気工業) シニアスペシャリスト、エバンジェリスト。博士(工学)。

ソフトウェアの開発支援・教育に従事。電子情報技術産業協会(JEITA)専門委員会の委員長や情報処理振興機構(IPA)などの委員など。情報処理学会(シニア会員)。三重大学などの非常勤講師やリサーチフェローも務める。IoTやAI時代のソフトウェア開発の知見融合が関心事。

著書に『はじめてのLisp関数型プログラミング』(技術評論社、2016年)、共著書に『IoTセキュリティ』(日経BP社、2016年)、『定量的品質予測のススメ』(オーム社、2008年)、『プログラミング言語論』(コロナ社、2008年)などがある。雑誌執筆や講演なども多数。著者の個人サイトはhttp://gomi.info/


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