エレクトロニクス/組み込み業界の動向をウオッチする連載。今回は2020年8月の業界動向の振り返りとして、Aurora遅延に絡むTSMCのオレゴン進出の別の意味についてと、DRAMの手当てで苦境に立たされたHuaweiにについてお届けする。
この原稿を書いている最中、前月の記事で紹介したArm再売却の具体的な話が出てきて業界が右往左往していた。編集部から連載の号外版としてArm再売却に関する記事を急きょ依頼され、執筆したものが先週掲載されている。本稿は通常通り、2020年8月に起こったニュースからピックアップしたものをお届けする。
2020年8月末、アメリカのニュースメディアが一斉に、Auroraが遅延する見込みであることを報じた(例えばNYTimesのこちら)。AuroraとはIntelが2019年3月にDOEとの間で契約を締結した、1Exaflopsを実現するスーパーコンピュータで、契約総額は5億ドル以上。2021年の稼働を目指している。この「稼働」が何を意味するかであるが、少なくとも契約時点でのALCF(Auroraが納入される米アルゴンヌ国立研究所のComputer Facility)は、2021年のうちにシステムの納入と一部稼働テストが始まり(何しろ5万以上のノードから構成されるので、全部そろうまでに時間もかかる。なので段階的に納入しながら稼働確認を行っていく形になる)、2021年末〜2022年初頭から全面稼働を開始する予定だった。
この予定は、こちらでも触れた7nmプロセスの遅延により、全部吹き飛ぶことになった。
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