映像転送システムや画像処理技術の開発を手掛ける画像処理ベンチャーのRevatronが、LiDARを安価に置き換えるカメラソリューションを発表した。
映像転送システムや画像処理技術の開発を手掛けるRevatronは、展示会「画像センシング展2018」(2018年6月13〜15日、パシフィコ横浜)で、「リアルタイム3次元映像合成システム」を発表した。車載利用をにらみ、同社では「高価なLiDAR(ライダー)を安価に置き換えるカメラソリューション」と主張する。
同システムは、1台もしくは複数台のカメラで撮影した映像から、3次元デプスマップ合成、自由視点映像合成、静的動的映像合成、輪郭分析などの各種画像処理を、処理時間1ミリ秒程度と低遅延で実行できる。三角測量を基礎としつつ、同社独自の「DOORs(Direct Object-Oriented Reality system)」技術や、「リアルタイムAIソリューション」を組み合わせることで、処理アルゴリズムを開発した。
同社ブースでは、車載された2眼式ステレオカメラで撮影した動画からリアルタイムにデプスマップ合成するデモを行った。デモで利用していたハードウェア環境は、ソシオネクスト製プロセッサとFPGAだったが、開発中のASICで処理を実行すると消費電力は数ワットクラスまで抑制できるとする。デモで用いたステレオカメラ映像は非同期のものだったが、同期映像を用いた場合の測定精度は3〜10cmとなる。
同社社長の浅田麻衣子氏は、LiDARについて「重量、コスト、3次元デプスマップ作成の手間などといった面で車載センサーとしてデメリットがあり、自動車メーカーはLiDARを代替するアイデアを探していた。また、車載レーダーシステムは車両への電波吸収体設置や、ゴースト現象への対策が必要だ」と指摘。
「このシステムでは低コストなセンサーであるカメラを用いるだけでなく、低遅延と高精度、低消費電力を両立したことが特長。日系自動車メーカーや中国のサプライヤーと共同で実証を進めている」(浅田氏)と自信を見せる。同システムの市場投入について、浅田氏は「ASICの設計は完了しており、さまざまな企業とライセンス交渉を行っている。早ければ2〜3年後にも市場に投入したい」と語った。
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