JDI
ジャパンディスプレイが放つ「第三の矢」は的を射るか(2/2 ページ)
ハードウェアにこだわらないと宣言するメーカーがデバイスを発表する。矛盾するように見えるが、高解像度PCディスプレイやVRゴーグル向け高fpsデバイス、高精細電子ペーパーなどは眼前にあれば「ただ見えるだけではない」ことを感じさせる。静電容量式ガラス指紋センサーは透明なガラス板の上に指紋センサーを形成するため、「センサー自体の強度を高く保てる」「指紋センサーの透明化が可能」などのメリットを持つ。
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CMOの伊藤氏は「根底にあるのは“インタラクティブな場”の創造。部材を売る会社ではない。単なるディスプレイ(表示)装置の会社ではなく、UIやUXを提供する会社になる」とJDIの方向性を語る。UI/UXの提供はディスプレイ装置製造というJDIの業務にそぐわないように見えるが、「新たなUI/UXのベースとなる、ハードウェア基盤を提供する会社」と解釈すれば、そう無理な話ではないように思える。
JDI「第三の矢」は的を射るか
伊藤氏は自身のCMO就任時にも「モノ売りから、コト売りへのシフト」を語っており、その文脈からすれば、ディスプレイソリューションズカンパニーのトップがハードウェアにこだわらないと発言することに違和感はない。ただ、その方向性で目標とする「2020年度に1000億円の売り上げ」が達成されるかは不透明だ。
現在、JDIのビジネスはスマホと車載向けが大きな柱となっており、ディスプレイソリューションズカンパニーの担当する領域の売り上げはこの2つ以外、全体の13~15%程度、500億円程度であるとみられる。デジカメ用背面液晶など既存製品の売り上げが落ちないと仮定しても、500億円の売り上げを新規ビジネスで創出する目算である。
伊藤氏は「サービス提供や課金ビジネスなど、技術のマネタイズも検討する」とするが、「どのようなデバイスやサービスがどのくらい売り上げることで、2020年度の1000億円を達成するのか?」という質問に対して湯田氏は「トータル1000億円を目指すが、ディスプレイやセンサーなどのデバイス、それにサービス提供などがどれぐらいの規模になるかは見極めが必要だ」と、売り上げ構成比に関しての明言は避けた。
静電容量式ガラス指紋センサーは2018年中の市販化を公言していることから、既に納入先が決まっていると判断できる。B2Bにおいてはビジネスとして成立していても相手先との関係上、公言できないことも多いので、伊藤氏の言う「サービス提供や課金」の一部がOEM/ODMを指すとすれば、売り上げ構成比など、協業先企業の規模や社名の推測につながる情報を出せないという理由にはなる。
ただ、いずれにしても既に2018年は始まっており、2020年度の終わりまで2年ほどしか時間は残されていない。「ディスプレイだけに固執しない」戦略で放たれた、JDI第三の矢は的を射ることができるのだろうか。
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