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日本電産がプジョーシトロエンと合弁、300億円投資して駆動用モーターを開発へ日本電産&プジョーシトロエン

日本電産子会社とプジョーシトロエンが、EV向けモーターを開発生産する合弁会社を設立する。設立時期は2018年3〜4月ごろ、資本金は1500万ユーロ(約20億円)を予定している。

» 2017年12月20日 12時00分 公開

 日本電産は2017年12月4日、同社の子会社とGroupe PSA(プジョーシトロエン、以下PSA)が折半出資で、自動車向け駆動用モーターを開発、生産する新会社を設立すると発表した。

 設立時期は2018年3〜4月ごろ、資本金は1500万ユーロ(約20億円)を予定している。本社や研究開発部門、工場は、PSAの既存の拠点内に設ける。総投資額は2億2000万ユーロ(約295億円)となる見通し。設立当初の従業員数は60人。


 PSAのフランス法人であるPSAオートモービルスと、日本電産ルロア・ソマーが共同出資して新会社を設立する。日本電産ルロア・ソマーは、2017年2月に日本電産の傘下に入ったフランスのモーターメーカー。2016年の売り上げは10億米ドル(約1129億円)、従業員数は7200人。生産拠点はフランスやイギリスなど欧州以外に、米国やメキシコ、インド、中国にも設けている。

 その前身であるルロア・ソマーは、日本電産が米国のEmerson Electricから買収した事業の1つだ。産業向けモーターを主力としてきたが、PSAとも長年の取引があった。また、Citroen(シトロエン)やカーシェアリングサービスのblue indyの車両向けに駆動用モーターを納入した実績があるという。

 自動車メーカー各社がプラグインハイブリッド車(PHEV)や電気自動車(EV)など電動車のラインアップ拡充を進めている中、PSAは2021年までに20車種以上のEVを投入する計画だ。また、同年にはラインアップの80%にPHEVを設定し、2023年にはラインアップの80%までEVを増やす。

 PSAは2016年時点で、新プラットフォームによる最初のEVとPHEVを2019年に発売すると発表。2つのプラットフォームを用意し、コンパクトカーや小型SUVなどを投入する。EVは走行距離450kmを目標とし、PHEVは電動4WDで60kmのEV走行(モーターのみでの走行)に対応する。

 駆動用を含む車載モーターの市場規模は、2016年の2.8兆円から2030年には6兆円に拡大する見通し。また、日本電産では、2025年に駆動用モーターで1000億円近い売り上げを目指していく。

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