IDC Japanは、国内製造業388社を対象に、製造10分野におけるデジタル化の実態について調査を実施。その結果をレポート「2017年 国内企業のデジタルマニュファクチャリングへの取り組み状況とPLMソフトウェア市場動向の調査」にまとめた。
「インダストリー4.0」の流れを受け、IoTやAI、ロボティクスといった先進テクノロジーを活用した製造現場の変革に関心が高まっている。こうした中、国内製造業におけるデジタルマニュファクチャリング/スマート工場への取り組みは、どの程度進んでいるのだろうか?
IT専門調査会社のIDC Japanでは、国内製造業388社を対象に、製造10分野におけるデジタル化の実態について調査を実施。その結果をレポート「2017年 国内企業のデジタルマニュファクチャリングへの取り組み状況とPLMソフトウェア市場動向の調査」にまとめている。以下、IDC Japanの調査レポートの概要について取り上げる。
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まず、IDC Japanはデジタルマニュファクチャリングへの取り組みの背景にある“経営課題”に関する調査を実施した。その結果、2016年度は「生産性向上」「グローバルビジネスの展開と強化」に回答が集中し、2017年度はこれらに加え、「新製品開発」「マーケティング強化」を重視していることが分かったという。
そして、その実現に向けたデジタル化の取り組み状況を6段階で調査したところ、2016年度の取り組みは過半数が、“デジタル化未着手または検討中”とする「レベル0」、あるいは“運用ルールなども含む基本的な生産情報を紙ベースからデジタルデータに置き換える段階”とする「レベル1」であると回答。この結果を業種別で見てみると、「電気機器やハイテク関連をはじめとする組立製造業におけるデジタル化の取り組みが、プロセス製造業よりも進んでいる」とIDCは傾向を分析する。
一般的に、工場のライン制御システムと本社サイドの基幹系システムは異なる成り立ち、構成であるため、別々の最適化が行われてきた。今回の回答が“IoT技術などの活用による生産ラインや製品の品質チェックのモニタリング(可視化)を行う”とする「レベル2」の手前(レベル0〜1)に集中した要因についてIDCは、「工場がインターネットや企業ネットワークから分断されていることも影響している」との見解を示している。
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