本格的な第4次産業革命(インダストリー4.0時代)の到来に向け、IoT活用への期待が非常に高まっている。この大きなビジネスチャンスをつかむべく、大企業を中心にさまざまな戦略、施策が打ち出されているが、果たして中小企業はどうすべきか? 大変革の潮流に飲み込まれないために何ができるのか? そのヒントを提示する。
今、世の中は「第4次産業革命」の時代だといいます。「インダストリー4.0」という言葉で語られることもあります。IoTの技術が注目されたり、人工知能(AI)で仕事の仕方ががらりと変わると未来予測をしていたり、今ちまたではさまざまな視点でビジネスの大変革を唱える声が多く聞かれるようになりました。筆者も、今から4年ほど前に、IoTという単語があることを知りました。そしてそれが「モノのインターネット」と訳されることを知り、「何だか変な言い方だなぁ」と感じていました。
ところが先日、家族とゴールデンタイムの娯楽TV番組を見ていたら、「私たち○○企業はIoTを目指します」といったスポンサー企業のコマーシャル映像が流れていました。IoTという専門用語が、お茶の間の日常会話の中にも入ってきています。これは一時的な流行語なのか、実際に商売のメリットになる取り組みなのか、ただの客寄せ目的なのか、さまざまな臆測や想像が頭の中を巡ります。IoTの訳語の良しあしはともかく、モノに通信機能が備わることで、遠隔地の様子がインターネットを経由しながら手に取るように分かるといいます。今までの商売の仕方とは異なった新しいビッグチャンスがありそうだと、大きな期待感を多くの人々が持つようになりました。
さて、中小企業の皆さんは、このような状況をどのように捉えているでしょうか。ややもすると、自分たちとは無関係で、むしろ大企業が考えていることだと、少々冷めた見方をする人もいるかと思います。「職場の作業効率が悪く、てんてこ舞いで、IoTどころじゃないよ」と思っている人も少なくありません。
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