中小企業のためのIT活用のススメ(2)
“鳥の目”でIT導入の真の目的を見極めよ! 何となくのIT活用にさようなら(1/2 ページ)
本格的な第4次産業革命の到来に向け、IoT活用への期待が非常に高まっている。この大きなビジネスチャンスをつかむべく、大企業を中心にさまざまな戦略、施策が打ち出されているが、果たして中小企業はどうすべきか? 第2回では「2017年版ものづくり白書」に触れつつ、現場のあるある課題を取り上げながら仕事の電算化(IT活用)における目標設定の在り方を紹介する。
連載「中小企業のためのIT活用のススメ」では、中小企業の仕事の電算化(IT活用)について取り上げています。今世の中は、第4次産業革命(インダストリー4.0)の時代だといわれていますが、職場の課題とどう向き合っていくべきでしょうか? そして、IT活用のポイントはどの部分に注目したらよいのでしょうか? 本連載を通じて、あらためて読者の皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
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1.「ものづくり白書」に見る、目指すべき方向性とは?
つい先日、経済産業省の「2017年版ものづくり白書」が公表されましたので、まずは本連載のテーマに関係するIT活用の方向性について、状況を確認しておきたいと思います。白書によれば、製造業全般の景気動向に関しては、今後3カ年にわたり比較的明るい見通しを示しています。ただし、人材確保についてはますます厳しい状況になることが予想され、ITやロボットの活用による合理化、省力化の必要性を示唆していました。
その一環として、既に多くの企業では、製造現場で何らかのデータを収集し始めているといいます。特に、中小企業による現場データの収集活動は、前年比26%増となっています。これは、大企業よりも6%ほど上回っています(図1)。
フィールドで発生している状況をデータ化し、そのデータを経営に生かしたいと考えている中小企業は年々多くなっています。さまざまなデータでモノづくりがつながった世界の実現、すなわち、モノだけにとどまらないサービスソリューション型の事業モデルを構想しようとしているといいます。そして、それを実現するためには、デジタルツールをどのように活用できるかが大きなポイントになるようです。白書では、このようなデータ中心のビジネス変革の取り組みを、これからの産業が目指す姿として「コネクテッドインダストリーズ」と定義していました。
ものづくり白書には、大企業や中小企業のさまざまな取り組み事例が多く紹介されています。皆さんも、ぜひ自社の事業環境と照らし合わせながら、ビジネスの方向性を確認してみてください。
2.「あるある課題リスト」から見えてくるIT活用のポイント
さて、製造業の目指すべき方向性はイメージできたでしょうか? ここでもう一度、今困っている職場の実態に目を向けてみたいと思います。
連載第1回「インダストリー4.0時代の到来を前に、電子化が進まぬ昭和なデータ管理をしていませんか?」の最後に「あるある課題リスト」を紹介しました。皆さん、セルフチェックをしてみましたか? 筆者の方では、中小企業に勤める社員の方々にご協力いただきながら、24人分のサンプルデータを集めてみました。今回は、その集計結果を一緒に見ながら、中小企業における現状の未解決問題を考察してみたいと思います。ちなみに、あるある課題リストの選択項目は全部で43個あり、典型的な現場の問題点をリストアップしています。今回は一人につき5個選んでいただき、最も合計点の多かった上位10項目にフォーカスしてご紹介していきます。
集計結果(表1)を見てみると、第1位は「仕事のやり直しや手戻りが多い」となりました。製品の設計段階で十分な検討がされないまま、工程が先に進んでしまい、そのときは何とかつじつまを合わせたつもりでも、結局は最後の最後でやり直しになってしまった……。こういう問題は、平成の時代になっても一向に改善されていないようですね。
次に挙げられたのは、「部門間をまたがった状況の把握ができていない」という組織の縦割り問題でした。本来、中小企業は組織間の風通しが良いはずですが、最近はそうでもないのでしょうか。例えば、工場が遠方に移転したり、自分が首都圏に単身赴任になったりと、結果として設計部と生産拠点が物理的に離れてしまったケースをよく聞きます。あれだけ意思疎通ができていたのに、今はお互いが何をしているのか、さっぱり分からないというのです。“組織の切れ目が縁の切れ目”なのでしょうか。他にも、「経営者が設計や製造の情報をタイムリーに把握できない」や、「経験豊富なベテラン人材の高齢化」「現場の不具合が特定できない」など、古くて新しい問題点が続々とあぶり出されました。
このような問題点の多くは、業務を電算化することで解消できるケースもあります。どの企業でも、ITシステムを全く使用していないわけではありません。アンケート結果によれば、既に導入しているITシステムが老朽化してしまっている点を指摘している人もいました。平成の時代も既に30年、当時ITシステムを開発した昭和の先輩たちは、既に定年退職しています。仕様書やプログラムが現存していても、全く解読不可能です。いたずらに手を入れると大変なことになりそうで、腫れものに触るような状態になっていませんか? 一方、事業環境は大きく変化しています。このような変化に、現存のITシステムが全く対応できていないことを危惧している人も多かったようです。また、データの出どころが多種多様で情報源がバラバラ状態のため、モノづくり全体で一貫した変更管理ができていないという結論に至っています。
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中小企業のためのIT活用のススメ
本格的な第4次産業革命(インダストリー4.0時代)の到来を前に、IoT活用への期待が非常に高まっている。この大きなビジネスチャンスをつかむべく、大企業を中心にさまざまな戦略、施策を打ち出しているが、中小企業はどうすべきか? 大変革の潮流に飲み込まれないために何ができるのか? そのヒントを提示する。◎こんなキーワードに興味のある方にオススメ:[デジタル化][デジタル変革][DX][電子化][データ活用][IT活用]
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