ダッソー・システムズは、製品開発向けシミュレーションソフトウェアの米Exa Corporation(Exa)の買収を発表。「3DEXPERIENCE」プラットフォームに、Exaの格子ボルツマン法による次世代流体解析技術が加わることとなる。
フランスのダッソー・システムズ(ダッソー)は2017年9月、製品開発向けシミュレーションソフトウェアの米Exa Corporation(Exa)を買収することを発表した。
Exaのソリューションは、空力/空力騒音/熱管理などのアプリケーションや業界に対応しており、流体に関する課題を解析する。自動車/輸送機械/モビリティ業界、航空宇宙/防衛産業、天然資源産業などの設計プロセスで用いられ、空力流れ、空力騒音、熱管理のシミュレーションなどに活用されている。
今回の買収により、ダッソーの「3DEXPERIENCE」プラットフォームにExaの格子ボルツマン法による次世代の流体解析技術が加わり、シミュレーションのポートフォリオが強化される。さらに、ダッソーのユーザーは、工業製品に特化したExaのソリューション群や、約350人の解析専門家を活用可能になる。
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製品、自然環境、人々の生活に関わる物理的な挙動をシミュレーションする場合、エンジンの冷却や翼の揚力といった流体流れのシミュレーションが必要となる。一方で、そのような状況下では流体の流動条件が急速に変化することが多く、環境内の製品と挙動を高精度に評価する動的な可変流量のシミュレーションが欠かせなかった。Exaの持つ精度と適時性は、こうしたアプリケーションで相乗効果を発揮する。
ダッソーは既存のポートフォリオにExaのソリューションを統合し、マルチフィジックス、マルチスケールのシミュレーションにおいて新しい業界標準を提案する。両社の技術を組み合わせることで、統合ソリューションの供給力が強化されるとしている。
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