製造業IoTの実現に際して「つながること」が求められますが、製造現場は接続されることを前提としていない機器も多く、産業用ネットワーク規格も複数種類が存在します。こうした、製造業向けネットワークの知識は製造業IoTの推進に不可欠です。
製造業において、IoTプロジェクトを計画・推進するには、産業システム、生産管理、法律、デバイス開発、無線ネットワーク、データ分析、セキュリティなど幅広い知識が必要となります。本連載ではIoT検定制度委員会監修の下、IoT関連の知識・スキルアップに役立つ問題を出題し、その解答を詳しく解説していきます。
IoT(Internet of Things)はその名の通り、「モノ」を接続することがキーポイントになります。しかしながら、製造現場においては接続を前提としていない設備や機器が多く、また外部ネットワークとの接続を実施することにより新たなセキュリティリスクが発生するなど、IoTを実現する上で考慮しないといけない注意点が多数存在します。
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工場や製造現場のIoT推進を検討する上では、産業用ネットワークの現状と今後の動向などを理解しておく必要があります。下図は、一般的な産業用ネットワークの階層を示しています。
上記の図を見ても分かるように、産業用ネットワークは各階層に複数種類が存在しています。標準化の流れもありますが、製造現場は「あらゆるモノが接続する」という前提で考えられていない部分も多く、いまだに多くの接続方式が存在します。
ですが、IoT時代においては、センサーなどで取得したデータを有効活用するため、あらゆるモノがつながることが前提になります。従って、各種設備や機器を接続するため産業用ネットワークの標準化は今まで以上に重要になります。
保守的といわれる製造現場においても、「つながること」が欠かせないIoT時代では一般の通信規格と同様、産業用ネットワークも淘汰(とうた)されることになります。逆に言うと、他との接続互換性が無い設備や機器を導入してしまうと「つながること」は限定的になり、IoTの効力を発揮できないばかりか、期待した投資効果を得られない可能性もあります。
従って、既存設備との互換性は意識しつつ、IoTの重要な要素であるつながることを前提に、汎用性の高いプロトコルを採用した設備や機器を採用していく必要があります。また、つながることで新たなセキュリティリスクが発生するため、セキュリティに関連した対応も必須になります。
それでは、IoT関連の知識・スキルアップに役立つ問題を出題します。今回は、上記のIoTに関連する産業用ネットワークの問題となります(※)。
問題(3):
工場の製造現場においても、IoT(Internet of Things)を活用することで、生産設備や機器の稼働状況の把握などが可能となり、生産の効率化や設備や機器の故障予知などが実施できます。従って、設備や機器の導入の際には、接続のキーである産業用ネットワークについてどのような点を考慮するかを理解することは重要となります。
次の設備や機器の導入の際に考慮する産業用ネットワークの考え方について、最もあてはまらないものを1つ選びなさい。
※本連載の設問が実際のIoT検定にそのまま出題されるわけではありません。
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