新菱冷熱工業とソフトウェアクレイドルは、数値流体解析による気流シミュレーション(CFD)の結果を、「Microsoft HoloLens」を利用したMR技術によって可視化するシステムを共同開発した。
新菱冷熱工業は2017年7月、ソフトウェアクレイドルと共同で、数値流体解析による気流シミュレーション(CFD)の結果を、装着式ホログラフィックコンピュータ「Microsoft HoloLens」(HoloLens)を利用したMR(複合現実)技術によって可視化するシステムを開発したと発表した。
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HoloLensは、日本マイクロソフトのヘッドマウントディスプレイ方式のホログラフィックコンピュータだ。HoloLensを用いたCFD可視化手法開発の第1弾として、同社研究所の制気口から吹き出す気流の可視化に成功。同システムは外部PCへの接続が不要で、HoloLensを装着したまま室内を自由に動き、任意のポイントの気流をCFD気流解析で視覚として確認できる。
同社は以前からCFD技術の実用化に取り組んでおり、現在、設計提案などさまざまな場面で活用している。しかし、複雑なCFDの結果を分かりやすく伝えるには、見やすくまとめるなど多くの労力が必要だった。これらの課題を解決する手法として、可視化技術の中でもHoloLensに着目。同システムの開発に至った。
同社は今後、同システムの「視覚化」機能をさらに進展させるため、MR技術の機能強化をクレイドルと共同で進め、HoloLensを使った仮想体験の提案体制を整える計画だ。
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