NECと小田急シティバスは、乗り合いバスの安全運航支援に向け、ウェアラブル端末による生体情報の収集および活用に関する実証実験を実施。乗務員本人も気が付いていない乗務中の体調変化や疲労度をリアルタイムに確認できる。
近年、バス乗務員の健康状態に起因する事故(健康起因事故)が増加傾向にあるという。
少し前になるが2016年1月7日、東京都小金井市で京王バスが運営する路線バスが歩道に乗り上げ、アパートに激突した事故は、乗務員が突如意識を失ってけいれん発作を起こしたことに起因する。発作を起こした乗務員が無意識にアクセルを踏み込んだことで、約100mもの距離をバスが暴走したとも報じられている。
こうした事故が発生した場合、乗務員の他、乗客や歩行者などに重軽傷者、死亡者を出してしまうケースもある。そのため、バスおよび鉄道を含む公共交通機関は、運輸安全マネジメントの強化や、乗務員の健康管理が急務となっている。特に、事業所から離れた場所にいる乗務員の健康と安全の確保、働き方の改善や職場環境の整備に関する取り組みが進められているという。
公共交通機関においては、日々多くの乗客が利用するため、乗務員の健康管理を含めた安全運航は必須といえる。既に、危険を伴う工事現場などではIoT(Internet of Things)技術やウェアラブル端末を活用した健康、安全管理の取り組みが進んでいるが、公共交通機関においてもこうした動きが活発化しつつあるようだ。
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NECと小田急シティバスは2017年7月3日、乗り合いバスの安全運航支援に向け、ウェアラブル端末による生体情報の収集および活用に関する実証実験を実施したと発表した。
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