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脱調を防止できるステッピングモーター駆動IC東芝 TB67S289FTG

東芝は、モーターの負荷トルクに応じて電流を最適化するAGC技術を用いたステッピングモータードライバー「TB67S289FTG」を発表した。ステッピングモーター特有の脱調現象を防止し、安定的で高効率なモーター制御を可能にした。

» 2017年05月09日 12時00分 公開

外付けセンサーなしで制御を最適化

 東芝は2017年4月、モーターの負荷トルクに応じて電流を最適化するモーター駆動技術(AGC:Active Gain Control)を用いたステッピングモータードライバー「TB67S289FTG」を発表した。ステッピングモーター特有の脱調現象を防止し、安定的で高効率なモーター制御を可能にした。量産開始は2017年7月末の予定だ。

 同社が新たに開発したAGCにより、外付けのセンサーがなくても、モーターの状況を監視して制御を最適化できる。これにより、従来の制御方式に比べて消費電力を最大80%程度低減するという。


ステッピングモータードライバー「TB67S289FTG」 ステッピングモータードライバー「TB67S289FTG」

 出力電圧は50V、出力電流は3Aで、0.46Ωの低オン抵抗により発熱量を軽減できる。独自の電流センス抵抗レス制御(ACDS:Advanced Current Detection System)を搭載し、電流センス抵抗を使用せずにモーターに流れる電流を検出できる。

 他には、過熱、過電流、低電圧、負荷オープン検出機能などの異常検出機能を搭載。異常値をフラグとして外部出力する異常検出フラグ機能も備えた。

 従来のステッピングモーターでは、動作の安定化を図るため、必要以上の電流を流し続けてトルクマージンを確保していた。一方で、効率や発熱改善のためにトルクマージンの電流削減が必要とされ、モーター駆動時の負荷状況をセンサーやマイコンなどで監視、調整するなど、複雑な制御が必要だった。

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