ジェネシスは、アジア太平洋地域を対象にした「2016年版 IoTを活用したカスタマーエクスペリエンス(CX)に関するレポート」を発表した。
ジェネシスは2016年12月、アジア太平洋地域を対象にした「2016年版 IoTを活用したカスタマーエクスペリエンス(CX)に関するレポート」を発表した。同調査は、オーストラリア、中国、インド、インドネシア、日本、マレーシア、フィリピン、シンガポール、韓国、タイ、ニュージーランドの11カ国を対象とし、金融機関や政府機関、通信サービスプロバイダー、物流、小売といった業界のリーダー479人から回答を得た。
調査の結果、企業内のIoT(モノのインターネット)によるCXの成熟度を表すIoT-CXIスコアでは、アジア全体のスコアが2.79であるのに対し、日本のスコアは2.66だった。
日本の回答者の50%がCXの成熟に向けてIoTを活用する準備ができているとしているが、他の地域に比べると、CXに向けたIoTの導入において後れを取っている。実際にCXにIoTを活用している日本企業は4%だった。
IoTのCX活用を検討している日本の企業は48%と半数を占めた。しかし、導入については1年以内とする企業が19%、翌年度以降と回答した企業は23%だった。
一方で、日本の回答者の81%は、顧客の生涯価値を高めるためにCXの改善が有効だとし、IoTを活用したCX戦略には経営者層、特にCEOの関与が重要だと87%が考えている。
アジア全体では、IoT活用によるCX戦略を導入済みの回答者のうち、68%がブランドの資産価値に良い影響があると認めている。また、経営効率の改善や従業員の生産性向上が見られたとする回答が65%以上あった。しかし、回答者の40%はIoTを活用したCX向上にまだ取り組んでおらず、ジェネシスでは、経営幹部レベルで注目されていない可能性があると分析している。
なお、IoTを活用したCX導入の最前線にいる業種として、通信サービスプロバイダー(CSP)、物流/運輸/自動車産業、小売/旅行/サービス業の3つを挙げている。
同社は調査結果を踏まえて、CXを管理して改善するソリューションとして、まだIoTを活用できる段階ではないという認識は間違っており、IoT活用によるCXの改善がもたらす価値をより多くの企業が理解する必要があるとしている。
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