ニフティが発表した「IoTに関する実態調査」の結果から、製造業におけるIoT導入・活用の今を探ってみたい。
生産性や品質の向上、設備の予兆保全など、製造業分野におけるIoT(Internet of Things:モノのインターネット)活用の期待は大きい。実際、関連する製造業向けソリューションや構築支援サービスなども多数登場しており、テクノロジーとビジネスの両面で大きな成長が見込まれている。
しかしながら、国内製造業に目を向けてみると、IoT活用の状況はまだまだ「限定的」であり、その必要性を認識しながらも、実際に組織全体におけるビジネス基盤として活用できているケースは少ない。
ガートナーは、2016年4月に発表した「日本企業のIoTへの取り組みに関する調査結果」の中で、「既に積極的に取り組んでいる企業もあるが、まだ一部に限られている。これは、IoTを実現するさまざまなテクノロジーがまだ未成熟であると同時に、ビジネスの制度やルールなどを変えていかなければならないという背景もある。そのため、企業は具体的な行動に移すことが難しく、足踏みする状況が継続しており、先行者からの明確な成果が出るまで何も手を付けられなくなる、というリスクに直面している」と警鐘を鳴らしている。
世界の主要国と比較し、IT/データの利活用の水準が低いといわれている日本の製造業が、本格到来を迎えようとしているIoT時代をどう見据えているのか? ニフティが2016年10月17日に発表した、製造業とサービス業を対象とした「IoTに関する実態調査」の結果から、製造業におけるIoT導入・活用の今を探ってみたい。
なお、今回ニフティが実施した調査は、製造業またはサービス業に従事する全国の20代以上の男女を対象に行われたもので、有効回答者548人(製造業248人+サービス業300人)の回答から得られた結果をまとめたものである。本稿では、製造業の調査結果にフォーカスして、製造業IoTの最新状況についてお届けする。
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