「介護福祉現場の人手不足にヒト型ロボットを導入」というアプローチには合理性があるように思えるが、現実問題として現在のヒト型ロボットでは、現場における違和感がぬぐえない。その現実解とはなにか。
人手不足の深刻化が懸念されている分野の1つに、介護福祉市場がある。その解決のため、介護士の肉体的負荷を軽減する装着型ロボットやセラピー効果の発揮を狙った動物型ロボットなど、各種ロボット技術の導入が検討されている。その1つとして、2016年8月24、25日の両日に東京都足立区の介護施設で実証試験が行われたシステムがアスラテックの「VRcon for Pepper」だ。
このVRcon for Pepperは、スマートフォンやタブレット、PCなどの操作端末からソフトバンクのロボット「Pepper」を遠隔操作するソフトウェアだ。Pepperの可動部操作だけではなく、オペレーターの音声を遠隔地のPepperからそのまま出力したり、Pepperに搭載されているマイクとカメラの映像/音声を操作端末から出力する機能も用意されている。
人手が足りていない介護福祉の現場に、人間の代わりにヒト型ロボットを導入するというアプローチには合理性があるように思えるが、そこにはロボットが超えなくてはならない、いくつかの心理的な問題が存在する。その1つがロボットの外観(ヒトに似ているかどうかなど)に関係なく、「ロボットによる接客対応」が生み出す抵抗感だ。
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