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特集:IoTがもたらす製造業の革新〜進化する製品、サービス、工場のかたち〜

第1問 マイクロコンピュータとシングルボードコンピュータの違いIoTスペシャリストを目指そう(1)(1/2 ページ)

IoTプロジェクトを計画・推進するには、産業システム、法律、デバイス開発、無線ネットワーク、データ分析、セキュリティなど幅広い知識が必要となります。本連載ではIoT検定制度委員会監修の下、IoT関連の知識・スキルアップに役立つ問題を出題し、その解答を詳しく解説していきます。

» 2016年04月25日 10時00分 公開
[IoT検定制度委員会TechFactory]

はじめに

 「IoT」は“Internet of Things(モノのインターネット)”の略で、文字通りコンピュータだけではなく、家電製品などを含む“あらゆるモノ”がインターネットにつながることを意味しています。

 しかしながら、このような直接的な意味だけでは、あまり価値を感じない方も多いのではないでしょうか。実は、IoTの本当の価値はモノがインターネットにつながる“先”にあるのです。

 IoTにおける本当の価値とは、あらゆるモノからデータを大量に収集して分析し(第1段階:見える化)、その分析結果をもって現実社会の装置やサービスを制御して動かし(第2段階:制御)、最終的に制御を自動化し人工知能(AI)を用いて効率改善すら自動的に行う(第3段階:最適化・効率改善の自動化)ことにあります。

 つまりIoTは、ビッグデータやロボット制御、人工知能までも含んだ、大規模な社会の仕組みを変えるための技術であり、その総称として捉えることができます。

 そのため、IoTは“あらゆる業界のビジネスルールを大きく変える”といわれており、IoTが第4次産業革命の起爆剤になるともいわれています。その証拠にドイツの「インダストリー4.0」、米国の「インダストリアル・インターネット」、中国の「中国製造2025」など、さまざまな国において国家規模でこれからダイナミックに変わるIoT時代へ向けたプロジェクトがスタートしており、日本においても政府がIoTを重要施作のキーワードと位置付け、官公庁が全面支援する形で大規模な企業連合ともいえる「IoT推進コンソーシアム」を立ち上げています。

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IoTが日本にもたらす未来

 産業革命とは、技術の大幅な進歩により社会やビジネスルールが大きく変わることを意味します。

 つまり、産業革命にうまく適応できた国や企業は、大きな発展を成し遂げて経済的成長が期待できますが、適応できなかったり競争に乗り遅れてしまったりした場合はチャンスを逃し産業が衰退してしまう……ということも考えられます。

 そして、どの分野の有識者に話を聞いても、近い将来に関して同じ認識を共有しています。

 それは、近々、「IoT、ビッグデータ、人工知能、ロボットによって社会が大きく変わる」ということ、そして「日本はこれらの分野で立ち遅れると技術大国としてのポジションを失う可能性が高い」ということです。

 つまり、全ての企業にとってIoTは積極的に投資すべき必須領域であり、「やるべき」ではなく、「やらなければならない」テーマなのです。同時に、製造、環境、エネルギー、セキュリティ、サービスなどあらゆる分野において、日本が再び技術大国として世界をリードする国・企業となるための大きなチャンスでもあります。

IoTにおける大きな課題

 さてここまでの内容で、IoTの重要性は十分に理解いただけたかと思います。

 もう、スタートの合図は鳴っているのです。つまり、これから計画するのではなく、実際に走り出さなければなりません。ライバル(先進的海外企業)は既に先行しているかもしれません。

 しかしながら、IoTの世界でスタートを切るには、どの企業にも共通した大きな課題があります。

 その大きな課題とは、

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