製造現場のIoT活用を成功に導く5つのポイント(3)
データ処理でキーとなる「クラウドサービス」と「エッジデバイス」(1/2 ページ)
IoTコンサルタントとして、主に製造業でのIoT導入を支援してきた筆者の経験を踏まえ、工場(製造現場)におけるIoT導入を進める上で「まず考えておくべきこと」や「気を付けておきたいポイント」などを詳しく解説する。連載第3回は、データ処理でキーとなる「クラウドサービス」と「エッジデバイス」について取り上げる。
前回の記事「PoC(概念実証)を実施すべき理由と検証時のポイント」では、IoT(Internet of Things)の取り組みの中で重要なポイントとなる「PoC(Proof of Concept:概念実証)」について説明しました。
今回は、データ処理においてキーとなる「クラウドサービス」と「エッジデバイス」について取り上げたいと思います。
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データの処理をどこで行うのか?
工場におけるIoTシステムの導入を検討する際、悩ましい問題の一つとして「システムをどこに構築するのか」ということが挙げられます。言い換えると、「データをどこで蓄積、加工、分析するのか」ということです。
これに対する“解”として、現状3つの選択肢があります。それは、オンプレミス、クラウドサービス、そしてエッジデバイスです。ただし、“どれか一つだけを選択する”ということではなく、システム要件によって、適宜組み合わせてシステムを構築することになります(図1)。
クラウドサービスの普及
従来、工場のシステムは、オンプレミス上に構築されてきましたが、昨今ではクラウドコンピューティングが劇的に進化し、さまざまなシステムやサービスがクラウドで開発、提供され、工場向けシステムもクラウド上で展開されるようになってきました。
クラウドコンピューティングについての詳細な解説は割愛しますが、少なくとも以下のサービス提供形態は理解しておきましょう(図2)。
クラウド上にシステムを構築したり、クラウド上のサービスを利用したりする利点はどこにあるのかというと、以下の3つが挙げられます。
- 柔軟かつ容易にコンピューティングリソースを増減できる
- システムの管理作業をサービス提供会社に移管できる
- (ハードウェア調達や開発費などの)初期投資を抑えられる
前回の記事で、“IoTシステムは一度導入して終わりというわけではなく、継続して開発、運用、改善を行っていくものだ”という説明をしました。例えば、システムの性能向上を目的に、サーバの台数を増やすといったシーンでは、クラウドサービスの利点が存分に発揮されます。
SaaSまたはPaaSとして提供されるサービスを利用した場合、サーバなどのインフラ周りの管理はベンダー側が行います。そのため、利用者はそのような管理作業に手を取られることなく、本業に集中できます。
ただし、クラウド上のサービスを利用する際、注意すべき点があります。それは「サービスの提供期間は、サービスベンダーに依存する」ということです。言い換えると、そのサービスを提供するベンダーが事業を撤退させてサービス提供を止める可能性があるということです。ほとんどの場合、(契約上)サービス停止の告知から実際の停止まで、半年から1年程度の猶予期間があるかと思いますが、その間にシステムを移設(更新)する必要が生じます。
また、クラウドで提供されるサービスも、メンテナンスや障害などを理由に、サービス提供を一時停止することがあります。(実際にはオンプレミスかクラウドかによらずですが)サービスが停止することも考慮し、工場側である程度データを保持できるようにするなど、データ処理方法を検討する必要があります。
■(参考)セキュリティについて
製造業の方々にクラウド利用を提案する際、「セキュリティについて不安を感じる」と言われることがしばしばあります。漠然と不安に感じているというような方もいますが、特によく聞かれるのが、工場システムをネットワーク接続することへの懸念です。
もちろん、インターネット網を介してクラウド上のシステムに接続する場合、暗号化通信やファイアウォールの設置といったさまざまなセキュリティ対策が必要となります。
あるいは、インターネット網ではなく、専用線でクラウドサービスと工場を接続し、通信させるという方法もあります。専用線を利用することで(通信帯域が確保され)、安定した通信速度を得られるという効果もありますが、専用線を設置するには相当のコストがかかります。
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製造現場のIoT活用を成功に導く5つのポイント
IoTコンサルタントとして、主に製造業でのIoT導入を支援してきた筆者の経験を踏まえ、工場(製造現場)におけるIoT導入を進める上で「まず考えておくべきこと」や「気を付けておきたいポイント」などを詳しく解説する。
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