製造現場のIoT活用を成功に導く5つのポイント(3)
データ処理でキーとなる「クラウドサービス」と「エッジデバイス」(2/2 ページ)
エッジデバイスの活用
工作機械などに取り付けたセンサーからのデータを、クラウド上のシステムに送信するような場合、以下の2点が問題になることがあります。
- データ量が多い(センサー点数が多い、またはデータ収集周期が短いなど)
- 可能な限り早くデータ処理結果が必要となる(リアルタイムに分析結果を表示するなど)
このようなケースの場合、工場側にもデータ蓄積および処理を行うためのデバイス導入を検討します。このデバイスを、エッジデバイスと呼びます。
エッジデバイスでは、例えばセンサーからの時系列データを取得し、データの抜けの確認、データの間引き、移動平均などの計算といった、データの一次処理を行わせます。
最近は、エッジデバイス用のハードウェアとして販売されているものでも、GPU(グラフィックス関連処理といった高負荷計算専用のプロセッサ)を搭載し、これまでクラウド側で行っていた機械学習/AIに必要な処理を、エッジデバイス側で行うことができるようにもなってきました(現状では、クラウド側で機械学習のモデルを生成し、エッジデバイス側でそのモデルを使って処理を行う、といった使われ方が多く見られます)。
オンプレミス/クラウドサービス/エッジデバイスの組み合わせ
IoTシステムでは、工作機械などさまざまな機器からの大量データを処理するに当たり、潤沢なコンピューティングリソースが必要になることから、クラウドの活用が進んでいます。また、さまざまなベンダーがSaaSやPaaSを提供しており、クラウド上のサービスを組み合わせて、スピーディーにIoTシステムを構築できるようになってきました。
一方、オンプレミスでは、自社でコンピューティングリソースを調達、保守する必要があります。中には「サービスベンダーに依存したくない」という経営判断もあるでしょう。そのような場合、一部をオンプレミスで構築するといった運用がとられることもあります。さらに、SaaS提供しているアプリケーションをオンプレミスでも動かせる形で提供する企業もあります
エッジデバイスのように、データをその場で処理して活用するというケースも増えています。これまでクラウド側で実行していた処理を工場側でも処理できるようになるなど、選択の幅が広がっています。
今後、通信技術の発達(次世代無線通信規格である5Gの普及)や、クラウドサービスの低価格化が進むと、クラウドの活用もさらに広がっていくと思われます。
工場向けのシステムは長期間稼働することがほとんどであるため、(上記のような今後の技術発展も見据えた上で)通信を含むデータ処理のコストとコンピューティング資産所有のリスクをてんびんにかけ、現状ベストな組み合わせを検討する必要があります。
今回は、クラウドシステムとエッジデバイスについて、使われ方や利用メリットを紹介しました。現状どういった選択肢があるのか、今後の技術動向も見据えた上で、システムを検討しましょう。
次回は、IoTシステムにおける「通信」について解説します。お楽しみに! (次回に続く)
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製造現場のIoT活用を成功に導く5つのポイント
IoTコンサルタントとして、主に製造業でのIoT導入を支援してきた筆者の経験を踏まえ、工場(製造現場)におけるIoT導入を進める上で「まず考えておくべきこと」や「気を付けておきたいポイント」などを詳しく解説する。
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