SOLIDWORKS WORLD JAPAN 2018
バリアを壊すモノづくりに挑戦、「WHILL」が目指すパーソナルモビリティの未来(2/3 ページ)
WHILLの魅力を最大限に引き出す3つの強み
続いて平田氏はWHILLの強みとして、「デザイン」「走破性」「アプリケーション」の3つを紹介。デザインに関しては、「自分がカッコいいと思えないものは作らない。誰しもがカッコいいと思えるデザインを追求するというポリシーで設計開発を進めている」という。また、WHILLは「iPhone」との連携を実現しており、リモートコントロールや乗り味のチューニングが可能である。
そして、WHILLの最大の強みといえるのが走破性であり、それを実現するオムニホイールの採用が物理的なバリアを壊すことに大きな役割を果たしている。
既存の車いす/電動車いすのほとんどが、前輪がキャスタータイプで、タイヤが左右にスイングするものになっている。「この場合、足の置き場を広く確保し、かつ車体をコンパクトにするためには、どうしても車輪のサイズを小さくせざるを得ない。だが、車輪のサイズダウンはそのまま段差の乗り越え性能に直結してしまう。車輪が小さいと、モーターの出力を上げても乗り越えられる段差の高さには限界がある」(平田氏)
これでは物理的なバリアを壊すことができない。そこで、車輪のサイズを小さくせず、さらに車体をコンパクトにできるアプローチがないかと検討を進め、オムニホイールの採用に行き着いたという。
WHILLのオムニホイールの全周には24個のローラーが配置されており、これにより、タイヤが前に向いた状態でも曲がったり、横に移動したり、その場回転したりすることができる。オムニホイールであればタイヤがスイングしないため、足の置き場を十分に確保でき、車体のコンパクト化も可能。そして何よりも段差乗り越え性能を極限まで高めることができる。ちなみに、WHILL Model Aは最大7.5cm、WHILL Model Cは同5cmの段差を乗り越えることが可能だという。「この高さは、既存の車いすや電動車いすでは乗り越えるのが難しいレベルだ」(平田氏)
また、もう1つ走破性に関するポイントが、WHILL Model Aで実現した四輪駆動化である。オムニホイールの採用により、常に前輪は前を向いた状態を維持できるため、後輪とベルトでつなげることで「既存の電動車いすやパーソナルモビリティの中では非常に珍しい四輪駆動を実現できた。このようなブレークスルーを起こせたのもオムニホイールを採用したおかげだ」と平田氏。
なお、WHILL Model A/Model Cの設計には「SOLIDWORKS」が用いられており、両製品ともに部品数が1000点以上になるという。「SOLIDWORKSで設計し、BOMをエクスポートして、関連会社や契約工場とのやりとりに活用している。また、『SOLIDWORKS Simulation』を用いて静解析なども行って、製品開発に活用している」と平田氏は説明する。
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